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年収の高い人ほど、「住宅ローン」選びに失敗しない納得の理由

あなたが選んだ変動金利には「罠」がある

住宅ローンを組む際、よく考えずに「変動金利」を選んでしまう人は多いだろう。住宅ジャーナリストの山下和之氏は「変動金利のデメリットについて、考慮しないのはとても危険。生活を破綻させてしまう可能性もあるから、慎重に選んでほしい」と警鐘を鳴らす。

リスクを取るのは誰か

住宅ローンには三つの金利タイプがあることをご存知だろうか。

まず、市中の金利動向によって適用金利が変わり、返済額が見直される「変動金利型」。一定期間は固定だが、その後は金利が変わる「固定期間選択型」。そして当初の金利が完済まで変わらない「全期間固定金利型」がある。

このうち、最も金利が低いのが変動金利型で、次が固定期間選択型、最も高いのが全期間固定金利型という順になる。変動金利型や固定期間選択型は、市中の金利動向に合わせて金利を設定できるので、金融機関にはリスクがないので、金利を低くできるわけだ。

では、誰がリスクを取るのかといえば、それは利用者。換言すれば、リスクがあるからこそ、低い金利で利用できるわけだ。

逆に、全期間固定金利型は市中の金利が上がっても、適用金利を上げることはできないので、金融機関にすれば逆ざやになりかねない。だから、利益を確保するために、変動金利型などに比べると金利を高くせざるを得ない。利用者からみれば、金利は高くなるけれど、リスクがない。高い金利によって、安全を買っていると考えればいいだろう。

まずはこの点を充分に理解してほしい。

超低金利だからこそ金利上昇リスクが大きい

こんな仕組みになっているのにもかかわらず、変動型金利を選ぶ人が非常に多いのが現実だ。目先の金利だけをみると、低金利の魅力は圧倒的に大きいからだろう。

たとえば、借入額3000万円、35年元利均等・ボーナス返済なしで利用する場合、金利3%だと毎月返済額は11万5455円だが、2%に下がると9万9378円に、1%になれば8万4685円に減少する。3%と1%を比較すると、月額で3万円以上、年間では約37万円、35年間でみれば何と約1292万円もの差になる。

こうした数字を見ると、少しでも金利の低いローンを利用したくなるのが人情というものだろう。

2017年3月末現在、変動金利型はメガバンクなどでは0.625%が多いのに対して、全期固定金利型で最も低い水準といわれる住宅金融支援機構のフラット35は1.12%。金利引下げ制度のある「フラット35S」でも0.82%だから、やはり変動金利型などを使いたくなってしまう。

図表1をご覧いただきたい。

借入額3000万円を金利0.625%の変動金利型で借りると、毎月返済額は7万9544円。全期間固定金利型の「フラット35S」の0.82%は8万2192円だから、月額2648円の差がある。たしかに、金利の低い変動金利型にはメリットがあることは間違いない。 

しかし、これは現時点での金利を元にした試算であり、それがローンの支払いが終了するまで続くとは限らない。逆に言えば、借入後に金利が上がると、これぐらいの差はいっきに吹き飛ばされてしまう。