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なぜ茨城と群馬は「不人気ナンバーワン」県に選ばれてしまうのか?

北関東同士の「人気なき」戦い

「最下位ですみません」

「最下位という結果について、県民の皆さまからは『悲しい』という嘆きの声や、『県は何をやっているんだ』というお叱りのお言葉をいただいております。県広報としては、まことに申し訳ない気持ちでいっぱいです」

先日発売された新書『茨城vs.群馬 北関東死闘編』(全国都道府県調査隊=編)のなかでそう肩を落として話しているのは、茨城県広報監、すなわち県広報のトップである取出新吾氏だ。

取出氏の言う「最下位」とは、調査会社「ブランド総合研究所」が2009年より実施している「都道府県魅力度ランキング」のこと(市町村別調査は2006年より実施)。同研究所は全国の20~60代の男女約3万人を対象に、各都道府県の「認知度」や「愛着度」「魅力度」といった項目別のアンケートを実施しているのだが、このうちの「魅力度」において、茨城県は過去8回のうち、じつに7回も最下位を記録しているのである。

「茨城には美味しい食べ物もありますし、観光名所だって他県に見劣りしません。県としても様々な機会にアピールはしているんですが、なかなか順位が上がらなくて……」(取出氏)

 

一方で、そんな「万年ビリ」の茨城を脅かす県がある。茨城と同じ北関東に属し、栃木県を挟んで西に位置する群馬県だ。同県も魅力度ランキングで毎年のように最下位争いを演じており、2012年調査では見事、茨城を破って「不人気ナンバーワン」の座に輝いた。

元毎日新聞記者で、『群馬の逆襲』(彩流社)の著書もある群馬在住ジャーナリストの木部克彦氏は、ため息まじりにこう言う。

「私は大学進学で上京し、新聞記者となってからは大阪や四国、九州などに赴任しましたが、関東以外ではどこに行っても、『群馬県出身です』と自己紹介すると、相手が戸惑ったような表情になるんです。

『ああ、東北地方ですか?』などと言われるのはまだマシで、『グンマ? 日本にそんな県があるんか』と真顔で尋ねられたこともあります。寂しい限りですが、魅力のあるなし以前に、群馬県という存在そのものが知られていないのです」

首都圏からほど近く、それなりに観光資源や名産品があるにもかかわらず、なぜこの両県は魅力度が低いのだろうか。両県出身の著名人による対談や、各種データを検証しつつ、どちらがより魅力がある(ない)のか比較してみようというのが、『茨城vs.群馬~北関東死闘編』の狙いである。

茨城vs.群馬。北関東を舞台とした「人気なき」戦い。その一端をみてみよう――。