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日本企業の皆様へ。次の社長選びに顧問が発言権を持つって変ですよ
米資産運用会社の提言

日本独自の制度として昨年来、急速に広がっていた「監査等委員会設置会社」。海外投資家などの批判もあって、「指名委員会」を任意で設置するケースが増えている。

昨年3月、オプト・ホールディングの監査等委員会設置会社への移行に反対し、日本の制度改革に一石を投じた米国シカゴの資産運用会社「RMBキャピタル」は、その後の日本企業の動きをどう見ているのか。

同社の日本株式投資部長でポートフォリオマネジャーである細水政和氏に聞いた。

日本企業の慣習を変えた提言

――オプト・ホールディングの株主総会が3月24日に開かれます。

総会に出席するために日本にやってきました。

昨年はオプトが監査等委員会設置会社に移行する議案を出したため、それに反対しました。RMBは大量保有報告書に実質保有者として記載されていましたが、名義を書き換えていなかったために株主総会に入ることはできませんでした。

今年は保有株のうち株主提案に必要な3万株だけ名義を書き換えて6ヵ月以上たっていますので、堂々と総会に出席できます。

――今年は何か株主提案として議題を出しているのですか。

いいえ。当初は株主提案を出す予定で、会社側にも伝えていました。ところが、我々が要求しようとしたことを、会社が率先して実行したため、株主提案する意味がなくなりました。

――具体的には。

かつて業務提携していた電通が保有している株式を買い戻したこと。そして、同社が保有していた金庫株を含めて自社株消却を行ったことです。さらに、任意ではありますが「指名・報酬委員会」を設置することをすでに発表しています。

総会の会社提案では、新任の役員候補にリクルート出身の社外取締役を追加選任し、指名・報酬委員会はCEO(最高経営責任者)とこの社外取締役、そして東証の基準では独立社外取締役にはならないものの、実質的に社外色の強い取締役の3人で構成することを明らかにしました。

私たちが主張してきたことを、当然の事として会社自らが動いたということです。

――昨年の批判はオプトだけでなく、監査等委員会設置会社に大きな影響を与えたように見えます。

米国企業では指名、報酬、監査の3つの委員会を設置して、社外取締役が中心になって、社長の後継者決定や、役員の報酬決定に携わるのが当たり前になっています。

日本では後継社長の任命権を現職の社長や会長が握っているケースが多く、なかなかそれを社外取締役に委ねることができないのでしょう。

日本独自の制度として監査委員会だけを設置する「監査等委員会設置会社」が認められ、昨年の株主総会で導入する企業が急増しました。

私たちはこれによって日本企業のコーポレートガバナンスが後退するのではないか、と危惧したのです。

 

機関投資家に議決権行使を助言する米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は、長文のレポートを出し、もしRMBがオプトへの株主提案で指名委員会等設置会社への移行を対案として出していたら、ISSは支持したとまで言ってくれました。

昨年の株主総会では移行阻止に必要な3分の1の議決権を集めることができず負けましたが、20%くらいの賛成票を集めたことは経営陣に対するプレッシャーになったと思います。

――指名委員会を任意で設置する動きも広がっています。

米国型ともいえる指名委員会等設置会社は70社ほどで増えていませんが、任意の指名委員会等設置会社は600社を超えているようです。

任意の指名委委員会で決めたことに拘束力はありませんが、それでも、その結論を無視して経営者が後継を決めることは容易ではありません。

監査等委員会設置会社は世界的に見て恥ずかしい制度だということが広く認知された結果、任意でも指名委員会を入れようという流れになっているのだと思います。

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