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財務省OBが見た、森友学園問題の本質と予測される「残念な展開」
国会では他に議論すべきことがある
髙橋 洋一 プロフィール

時間を浪費してもいいものか

というのは、安倍首相の歓心を買うにしては、随意契約にしたら目立ちすぎて、ばれた時には安倍首相のスキャンダルになってしまうからだ。そんなミスを犯すとはちょっと考えにくい。

つまり、本当に歓心を買うのであれば、絶対にバレないやり方になるはずで、少なくとも競争入札にして痕跡をなくしていただろう。

逆に言えば、随意契約にしたことは、のちのち安倍首相に罠をかけるため、ということになってしまう(財務省なら、これくらいのことを考えても不思議ではない)。

先週の本コラムでも書いたが、筆者が「随契にしたのは会計法の観点からおかしい」と、ある番組に出演したときに指摘したら、直ちに財務省から抗議があったのだが、これはかなり異例である。しかも、筆者は先週の本コラムで書いたように指摘に関しては注意深く行っており、財務省から抗議を受ける筋合いでない。これは、②を想起させる。

もっとも、このことを断言する証拠を筆者はもっておらず、今の段階ではあくまで筆者の邪推でしかない。そうした証拠を持っていない以上、筆者としては、今のところ①の事務ミスの可能性といわざるを得ない。

 

いずれにしても、こう考えると、この問題はかつての永田メール問題のようにくだらないもののようになるのではないかと筆者には思える。

この問題で内閣支持率が下がったというが、実のところ、国民は飽き飽きしているのではないか。

日本の周りに目をむけると、国際政治情勢が激しく動いている。が、日本は国内のささいな問題が過熱し、国会では時間を浪費している。

特に朝鮮半島の情勢が流動的だ。韓国大統領選は5月9日の投開票が決まった。候補者の告示は4月16日で、それから選挙戦が始まる。

与党の候補がいなくなって、最大野党「共に民主党」では、文在寅(ムン・ジェイン)前代表、安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事、李在明(イ・ジェミョン)城南市長が立候補を表明している。

「共に民主党」は、誰が候補になっても、親北、超反日になるだろう。従軍慰安婦に関する日韓合意についても無効を訴えるなど、日韓関係は朴政権よりうまくいかなくなるだろう。アメリカとの関係でも朴政権を批判してきたので、ぎくしゃくしそうである。場合によっては、在韓米軍の撤退を要求する可能性もある。

こうした政権が誕生する可能性が高いということは、近い将来朝鮮半島のパワーバランスが崩れる可能性を示唆している。

筆者は、こうした政治日程を考慮すると、近いうちに危険な事態が起きかねないと憂慮している。つまり、北朝鮮が、在日米軍を名指しして、ミサイル4発の同時発射実験を行ったことに対抗して、米軍による先制攻撃が行われる可能性である。

しかも、今は米韓軍事演習中であるので、実戦を仕掛けやすい状況だ。過去にも、アメリカは演習中から実戦へ移行したこともあった。

日本にとっても北朝鮮の脅威は目の前にある。万全の準備態勢が必要なのはいうまでもない。国会での森友学園の追及をやるのであれば、そうした準備に支障ないように行って欲しいものである。