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財務省OBが見た、森友学園問題の本質と予測される「残念な展開」
国会では他に議論すべきことがある

あの振込証を見て思ったこと

森友学園問題がまだ燻っている。

いろいろな報道がなされているが、問題の本質は、国有地の低価売却や学校認可に政治が関与していたのかどうか、である。

現状、学校認可より国有地の低価売却が先行しているので、国有地の売却に関して政治関与があったかどうか、が注目のポイントである。

政治関与については、これまで鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ 元防災担当相)氏が関わりがあったことが明らかになっている。しかし鴻池氏の「関与」とは、単に話をつなぐだけであり、これは国有地の低価売却につながるものとはいえないだろう。

もし、国有地の低価売却に直結するような政治関与がないとすれば、低価売却した財務局(財務省)の事務ミスである。これが、筆者がこれまで本コラムで書いてきた森友学園問題の構造である(この事務ミスの内容は後で書こう)。

ところが、先週16日(木)、参院予算委員会の現地調査で、籠池泰典(かごいけ・やすのり)理事長が、安倍首相が昭恵夫人を通じて100万円をもらったという、信じられない発言をした。昭恵夫人から「どうぞこれをお使い下さい」と100万円を渡されたというのだ。

一方、菅義偉官房長官は同日午後の記者会見で、首相に確認したところ「(安倍首相は)自分では寄付していない。昭恵夫人、事務所等、第三者を通じても寄付していない」とし、昭恵氏が個人として寄付したかどうかについても、念のために確認していることも説明した。その後、昭恵夫人も個人として寄付していないとした。

これについてだが、まず、国有地の売却に関わりがなければ、たとえ寄付をしても違法とはいえない。以下では、それを前提としつつ政治的な議論をしよう。

 

ついに籠池氏は、今週23日(木)国会で偽証罪が適用される証人喚問されることになった。ここで、受け取ったという現金100万円については、籠池氏側に挙証責任がある。安倍首相や昭恵夫人が払っていないことを証明するのは、悪魔の証明となるため、できないからだ。

100万円寄付に関連して、17日(金)、ネットで「安倍首相からの100万円」(https://news.yahoo.co.jp/byline/suganotamotsu/20170317-00068806/)という情報が出てきた。

そこには、昭恵夫人からもらった100万円を、森友学園関係者が森友学園に振り込んだという振込証が出ている(お金を受け取った日付は2015年9月5日だという)。その日のテレビ朝日「報道ステーション」では、そのネット記事そのものを放送していた。

あれっと思っていたら、番組では最後に「これは昭恵夫人が寄付した証拠にならない」と締めくくった。ネット記事を見れば誰でもわかることだが、マスコミは、ネット記事に付加価値をつけないと不味いからこういう締め方をしたのだろう。

さて、私もこの振込証を見たが、かなり不自然な振込証である。修正テープが貼られており、そこに「淀川新北野郵便局長印」がある。

そもそもマスコミはこれを報じるのなら、せめて「淀川新北野郵便局」に確認したらどうなのか、と思う。ネット記事が出てからそれを二次的に報じるまでに、取材する時間が合ったと思うが。

まあ、振込証が本物であっても、番組で報道されたとおり、昭恵夫人が寄付した証明にはならない。

そこで、2015年9月5日(土)に昭恵夫人が講演に森友学園を訪れた際、現金を持参していたことについて、籠池氏は23日に証明しなくてはいけない。証明できなければ、「籠池氏の戯言」で本件は終わりである。もし籠池氏の証言に一つでも間違いがあれば、偽証罪で直ちに訴えられるだろう。