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北朝鮮高官が初証言!金正男暗殺「実行役の4人はすでに消された」
近藤大介のコリア・ディープスロート
近藤 大介 プロフィール

金ハンソルも危ない

――それでは、マレーシアを追放された北朝鮮の姜哲大使や、逮捕後に釈放されて、やはり国外追放になった李ジョンチョル氏も、北朝鮮に帰国すると粛清される運命にあるのか?

「二人がこの事件の一味だったり、事件の真相について知っていたとしたら、そうなる可能性が高いのではないか。

姜哲大使の前任の張勇哲駐マレーシア大使も、ただ張成沢の甥だというだけで、張成沢の処刑後に帰国を命じられ、一家で処刑された。

今回、李ジョンチョルは、自分がマレーシア警察に逮捕されれば、マレーシアの監獄に繋がれるものの、命は助かると思っていたのではないか。だからマレーシアに残って逮捕された。

それが釈放されてしまったことで、家族もろとも強制帰国となったのだから、内心では喜ぶどころか、粛清を恐れていることだろう」

――金正男氏の息子、金ハンソル氏も今後、暗殺の対象になるのか?

 

「ハンソルが共和国(北朝鮮)に対して不穏な動きを少しでも見せれば、当然ながら元帥様は、ハンソルを抹殺せよとの指令を出すだろう」

――2月初旬には、金正恩委員長の最側近の一人で、幹部粛清の実行責任者だった金元弘国家保衛相が1月に解任されたと、韓国メディアが一斉に報じた。実際、2月以降、金元弘保衛相は公の場に姿を現していない。何があったのか?

「金元弘は、部下たちと元帥様の陰口を叩いていたと、党中央組織指導部から元帥様に進言があったようだ。

本当に陰口を叩いていたのかは不明だが、金元弘は、幹部を粛清する責任者だったため、多くの幹部たちから恨まれていたのは事実だ。特に組織指導部と確執があった。
ともあれ、金元弘はすでに、国家保衛省の側近の部下たちとともに処刑されたと聞いている」

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――世界で金正恩委員長ほど、部下を次々と粛清している国家指導者はいないだろう。ついには実の兄や、秘密警察のトップまで殺してしまった。

そんなことを繰り返していて、自身は危うくならないのか?

「元帥様の体制は、いささかも揺らいでいない。それどころか、兄まで殺した指導者ということで、幹部たちは畏れおののいている。

それは、'13年末に叔父の張成沢を処刑した時も同様だった。金日成-金正日-金正恩と続く『白頭の血統』は、それほど強固なものなのだ」