学校・教育 不正・事件・犯罪 週刊現代
第二の森友学園か!?淡路島「ウワサの土地」と安倍首相との関係
「親友」の学校法人が有利な条件で…
週刊現代 プロフィール

市長の完全なトップダウン

さて、安倍総理・昭恵夫妻と加計氏の親密ぶりをお分かりいただいたところで、冒頭の「疑惑の物件」に話を戻そう。

この場所には、もともと兵庫県立志知高校があった。同高校は、生徒数の減少のため'09年に廃校となり、市内の高校と統合。その後、大阪府に本社があるパチンコ機器メーカーA社が「跡地を買って、工場か倉庫を建てたい」と手を挙げた。同社の関係者が明かす。

「最初は、南あわじ市の担当者が『産業誘致をしたい』という話をウチに持ってきたんです。実は、ウチの社長は南あわじ市の出身で、以前にも『地元に貢献したい』と市内に工場を建てている。その時は、60人の職員採用枠に550人も応募があったので、市としてもその実績を買ってくれたんだと思います。

市の担当者とは、電話も含めて20回以上相談をしました。向こうは税収と雇用の確保が目的ですから、目標の取り決めもした。購入金額は、上物を壊して工事をすると5億円くらいかかるので、こちらからは『まずは1億円からで、いかがでしょうか』という希望を出していたところでした」

跡地の広さは、運動場を含めておよそ5.5ヘクタール。評価額は、土地がおよそ10億円、建物がおよそ13億円、そのほかの設備や植栽なども含めれば、しめて30億円程度になる。

A社が希望した1億円という買い取り金額も高いとは言えないが、購入後に必要となる工事費がある程度評価額から割り引かれることは、森友学園の件でも周知の通りだろう。

ところが、A社と市の交渉が続いている最中に、信じられないことが起きる。'11年10月、地元紙の神戸新聞がいきなり、

〈南あわじ・志知高跡地の大学誘致 吉備国際大を候補に〉

と報じたのである。前出のA社関係者が続ける。

「われわれも新聞を読んでびっくりしました。直後に、市の担当者から電話があって『今回の件はなかったことにしてください』と。それっきり、謝罪も何もないですよ」

吉備国際大学は、加計氏の姉・美也子氏が理事長を務める、加計学園グループの学校法人順正学園が経営する大学で、主なキャンパスは岡山県高梁市にある。当時の中田勝久・南あわじ市長と順正学園は、'11年春から水面下で交渉を始めていたという。

完全にトップダウン、急転直下の決定だった。

 

補助金をもらいまくり

岡山の大学のキャンパスが淡路島にできるという点からして、まず首をかしげざるを得ないが、その後も不可解な決裁が続々と下されていった。ある市政関係者が匿名を条件に明かす。

「順正学園に土地をタダで使わせ、建物と設備を無償譲渡して、市が共同で校舎を整備する、という計画書が市長からいきなり出てきた。しかも費用20億円のうち、13億円強を市が負担することになっているうえ、学生が南あわじ市に住民票を移せば、1人あたり30万円まで補助金も出すと。至れり尽くせりですよ。

計画書に書かれた費用を子細に読むと、『教育・研究設備(図書含む)』に5億円も割かれている。そんなにかかるのか、水増しじゃないか、と訝る声もありました。でも、市議会は自民党が圧倒的多数。市長の言いなりの議員ばかりで、あっという間に通ってしまった」

高校の建物をほぼ「居抜き」で大学に転用する。リフォーム費用は20億円、ただし13億は市が出す――だから、門扉には高校名の銘板の痕が残っていたというわけだ。体育館や校舎は現在も、ほぼそのまま残っている。

南あわじ市は、決して裕福な自治体ではない。当時の市税収入は年間およそ60億円。土地と建物をタダで提供するばかりか、税収の6分の1以上を順正学園に補助金として「献上」しようというのだから、異論が出るのも当然である。当時、市議会で反対意見を述べた蛭子智彦市議が言う。

「調べてみると、これまでに順正学園は、高梁市で約60億円、系列の九州保健福祉大学がある宮崎県延岡市でも約90億円の支援を受けています。

市長は、『順正学園は経営状況がいい、一流の私学だから心配ない』と言っていましたが、なぜ200億円も資産を持っている学校法人に対して、カネのない南あわじ市が巨額の支援をしなければならないのか。

工事内容についての資料の開示請求をしても、出てこない。税金から補助金を出しているにもかかわらず、その後明細も公開されていません」