Photo by iStock
企業・経営
ゴルフの楽しみ方を変えた!バリューゴルフ社長の前向きな経営哲学
成功の秘訣は「スピード」と「ファン作り」

45歳で脱サラして起業、58歳で東証マザーズ上場を果たした経営者を取材した。バリューゴルフ社長・水口通夫氏(59歳)。'03年に独立し、同年にフリーペーパー『月刊バリューゴルフ』を創刊。その後、ゴルフ場を1人だけで予約できるサイト「1人予約ランド」を立ち上げ、自社を一気に成長させた敏腕経営者だ。遅咲きの社長に起業の経緯を聞くと、ネットビジネスの成功は「スピード」と「ファン作り」にあるとわかった。

撤退も立ち上げもスピード勝負

【速度】

『月刊バリューゴルフ』を発行していた'05年に、ゴルフ場予約サイトも立ち上げました。しかしこの事業は、先行する大手に追いつくために多額の資金が必要とわかり、3ヵ月で撤退しました。やってみなければわからないことは多々あります。でも「ダメだ」と思ったら、逃げ足は速いに越したことはありません(笑)。

【勝負】

「1人予約ランド」を始めたのは'10年のこと。きっかけは、社員と「ほかがやっていないことをやりたいね」と議論を重ねるうち、ある仲間が「なぜゴルフって1人で予約できないんでしょう?」と言ったことでした。たしかにシニア世代には「お金と時間はあるけど、身近なゴルフ仲間がいない」方が多い。ならば1人予約を受け付け、WEBでマッチングして4人でプレーしてもらおう! と考えたのです。

 

ここから事業の立ち上げまでも3ヵ月でした。我々が「1人予約」の可能性に気付いたのだから、同じことを考えている人はいるはず。事業の撤退も立ち上げも、スピード勝負だ! と急いだ結果でした。

【口コミ】

「1人予約ランド」の会員同士は、SNSのようなつながりを持っています。まず、一緒にプレーした相手がグッドプレーヤーだったら「スター」を贈るなど、相手を評価できます。だから皆さんマナーがいい。さらに、過去1年以内に一緒にプレーした方が予約すると、メールでお知らせがあるから、仲間もつくりやすい。

ただしこのつながりを営業には利用しません。他社からは「これだけの会員システムがあれば、営業メールを送るだけでビジネスになるのに」と言われます。しかし目先の利益に流されず顧客の利便性のみを追求しているから、皆様に「バリューゴルフは自分のゴルフライフの仲間だ」と思っていただける距離感を保てるのです。

【経緯】

大学卒業後、リクルートに勤務していた頃からずっと、起業家志向がありました。しかし仕事が多忙でかつ面白く、機会を逃し続けていたのです。そこで45歳のとき、事業計画も何もないまま会社を飛び出しました。退職後、リクルートと同様に情報誌をつくろうとしたのですが、お世話になった会社に弓を引くのは嫌だった。

そこで競合しない市場を探すと、リクルートにはゴルフ、釣り、ダンスの情報誌はなかったのです。なかでもゴルフは「ゴルフ場やゴルフクラブのメーカーから広告料をいただく」「ゴルフの練習場などにフリーペーパーを置く」とビジネスモデルが明確だったため、この市場を選びました。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら