学校・教育
わが子の「学校・塾・受験」問題を考えるヒントになる3冊
リレー読書日記
生島 淳 プロフィール

この本は、中学受験に関して極めて有用な実用書であるだけでなく、公立校に通う中学生を持つ親や、大学受験まで対応可能な情報やノウハウがちりばめられている。

たとえば、こんな親の悩みがある。「我が子が自分の理想とするやる気あふれる受験生でないこと」。これは、期末テストに向かう我が子を持つ親の悩みとまったく一緒だ。「テレビ見てる場合か」、「スマホいじってる場合か」って、子どもを持つ親なら、一度は思ったこと、ありますよね?

著者は「『やる気にあふれた子』は実在しない幻想」と言い切る。理想的な姿になるのは、ラスト1ヵ月だけだ、とも。

受験において親に出来ること、出来ないことを整理するためのお役立ち本だ。

そして10代の子どもにとって大切なのが部活。いま、日本の中学、高校の部活動は岐路に立っているが、それを考えるのにぴったりなのが『そろそろ、部活のこれからを話しませんか』。

死亡事故、ブラック部活、顧問教師の過剰労働が問題視されているが、本書を読むと部活動の歴史、そして現在の課題が浮き彫りにされる。

戦後、盛んになった部活は、民主主義が輸入され、「自主性」を育むための手段だった。ところが1964年の東京五輪を境に、平等主義へと移行していく。

そして1980年代は校内暴力との関係性から、管理主義への方策としての期待が高まる。ドラマ『スクール☆ウォーズ』、そして傑作マンガ『スラムダンク』でさえも、そうした発想が色濃く反映されている。

そして平成の部活は生徒、教師数が減少し、「存続」や「指導者の不在」が課題となってしまった。中学レベルではクラブスポーツの台頭で、野球、サッカーでは部活の相対的な地位も下がっている。

いま、部活に何が必要なのか。著者は「生徒が部活に幸せを感じられるようにする」ための環境整備を主張する。部活と幸せ。ミスマッチに思える二つの言葉だが、私は可能性を感じる。

顧問が試合中に立腹し、生徒たちは黙する。あの光景はスポーツの本質とはかけ離れている。時代は変わった。部活も変わらなければいけない。

週刊現代』2017年3月25日・4月1日号より