Photo by gettyimages
野球

賭博、薬物、不倫…スキャンダルまみれの「巨人の闇」をこの男が斬る

ピンチに陥った日本プロ野球に喝!

球界のエリート集団、読売ジャイアンツで何が起こっているのか?元・ヤクルトスワローズ監督の野村克也氏がその闇に迫る『暗黒の巨人軍論』を上梓。本稿にて、スキャンダルにまみれた現在の読売ジャイアンツの堕落を語った。

二流人の気持ちがわからない

―タイトルからして刺激的ですが、巨人への愛憎半ばする思いが、ストレートに伝わってくる一冊です。

プロ野球には80年の歴史があって、その中でずっと巨人がリーダーシップをとってきました。他球団はみんな巨人におんぶにだっこ。それが長い間、私には不満だったんですよ。

プロ野球は人気商売。私が南海の監督時代、パ・リーグの試合に何とかお客さんを入れよう、スポーツ新聞の1面を飾ろうと、2シーズン制を導入したり、セ・リーグの試合のない月曜日に試合をしたり、さまざまな工夫をしました。

 

あるシーズンの9月、優勝争いをしていた阪急と南海の天王山となる3連戦があり、月曜日に試合がありました。セ・リーグは試合がない。明日こそは阪急と南海の試合が1面を飾る。そう期待して翌日、新聞を全紙買ってみると……。1面は阪神の4番、掛布雅之。「掛布 不調にあえぐ 特訓」という見出し。あれほどがっかりしたことはなかったですよ。

―人気も実力も兼ね備えた巨人をいかにして倒し、追い越すのか。野球人生の大きな目標だったと思います。

監督の大きな仕事のひとつにマスコミ攻略があります。ヤクルトの監督をやったとき、オーナーが巨人戦以外は客が入らないと嘆く。なら巨人人気、長嶋人気を利用しましょうと。徹底的に巨人批判、長嶋批判をすればマスコミは飛びつく。球団には「これは戦略ですから」と説明してボンボン批判をしましてね。

これを長嶋が本気にした(苦笑)。家族までがね、一茂とか娘の三奈さんとか、たまたますれ違うとすごい目で見るんですよ。観客動員のための戦略ということは伝わらなかった。それがいまだに続いている。もともと私と長嶋は仲が良かったんですけどね。

Photo by gettyimages

―長嶋さんは選手としては一流だけど、監督には向いていなかった、とも指摘しています。

まあ、「名選手必ずしも名監督にあらず」という言葉には一理ある。監督になれば嫌でも自分の選手時代の経験がベースになってリーダーシップをとりますから。一流の選手が監督になると、二軍の選手なんかを見ると「それでもプロか!」と、思ってしまうもんです。

私の場合はテスト生からの入団ですから、二軍で燻っているような下積みの選手の気持ちが理解できる。24年間も監督をやらせてもらいましたが、そこが一番の強みだったと思いますよ。