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森友学園に関する私の発言に、財務省が抗議してきたので反論しよう
官僚にこんなに裁量があっていいのか?

筆者がテレビ朝日で話したこと

大震災から6年が経った。

筆者は大震災直後に、「震災復興は超長期国債発行を財源とすべき。経済学の課税平準化理論からも導出できる」と主張し、その日銀引き受けの手法についても本コラムで書いた(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2254)。

ところが、財務省はそれとは逆をいく復興増税を主張した。これを支持した主流派経済学者(そのリストは  http://www3.grips.ac.jp/~t-ito/j_fukkou2011_list.htm )はまさに財務省のポチだった。

そして実際の政策では、復興増税が採用された。「震災時に増税」というバカ政策は古今東西聞いたことがない。この日から、大学学部、院コースで「課税平準化理論」を教えられなくなったことだろう。

そして、この復興増税のアンチテーゼとして、アベノミクスの原点が作られていた。この流れも、その当時の本コラムを読んでもらえればわかる。6年が経ち、いろんなことを思い出してしまった。

ところで、またしても財務省がミスをした。森友学園問題で国会が持ちきりなのは周知のとおり。マスコミも、連日テレビのワイドショーを中心にこの問題を取り上げている。森友学園の理事長のキャラが立っているので、視聴率が取れるのだろう。国会の野党質問もテレビのワイドショーの流れに乗っている。

結局、森友学園は小学校建設の認可を取り下げた。これで、この問題も沈静化するだろう。最大の関心であった政治関与については、今のところ鴻池祥肇・元防災担当相の地元秘書らが用地取得交渉に関わっているということで、いわば「鴻池案件」である。頻繁に財務局と接触があったようで、これほど頻繁になると、国会議員レベルで他の人が関与している可能性は低いと考えるのが妥当だ。

 

となると、昭恵夫人が森友学園の名誉校長になっていたのは脇が甘かったが、安倍首相が公言しているように、この問題に首相が関与していない公算はほぼ確実といえよう。

ということは、国有地の低価売却については財務省(近畿財務局)の事務ミスということになる。森友学園が認可を取り下げたことで、同学園が国に支払った購入代金と同額で国が買い戻せるので、低価売却では実害は顕在化しない。しかし、国民の財産である国有地が、特定者に対して払い下げられていいはずない。

今から60年近く昔の松本清張「黒い霧」の時代、国有地の安い払い下げは横行していた。大手新聞社本社もそうした恩恵を受けており、読売新聞の渡邉恒雄氏も大きな役割を果たしたということが、いろいろなメディアで明らかになっている。

もちろん今でも、国有地の低価売却は問題である。各マスコミでいろいろと論じられていたが、筆者は、この事務ミスをはじめに「入札にしなかったこと」が問題だと考えており、そのことを、先週8日(水)のテレビ朝日「ワイドスクランブル」で解説した。

番組では、会計法では原則競争入札と定められており、随意契約の場合は人命にかかわるなどの緊急性などに限定していることを説明した。財務省の国会答弁では「法令で適切に対応」というが、これは会計法に適切に対応していない、と言える。そのうえで「この点は、是非国会で追及すべきことだ」といった。

これに対して、番組終了後、財務省からテレビ朝日に対して抗議があったようだ。