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ライフ

妻たちがマジメに語る『夫のちんぽが入らない』問題

このタイトルで大ベストセラー!

ただの「セックスレス」ではない。どんなに頑張っても「入らない」のである。出会ってから20年、一度も「ヤっていない」夫婦の実話に基づく問題作。夫婦にとって「セックス」とは何なのか。

なぜか「行き止まり」が

「今年のベストブック、No1だと思いました。タイトルはキワモノのようですが読み始めると止まらない。人々の普遍的な孤独と苦悩が描写されており、現代社会について的確に捉えている小説です」

作家の樋口毅宏氏がこう絶賛する。

『夫のちんぽが入らない』。こんな衝撃的なタイトルの私小説が今売れている。年明けに発売されると、口コミで売り上げを伸ばし続け、現在は13万部を超えるベストセラーとなっているのだ。実話をベースにした夫婦の物語で、特に女性読者の間では、『夫のちんぽ』を略して『おとちん』と呼ばれ、熱狂的に支持されている。

「同人誌に掲載されたエッセイ『夫のちんぽが入らない』が面白いと、漫画家まんしゅうきつこさんから聞き、著者のこだまさんにコンタクトを取りました。商業出版にあまり乗り気ではないこだまさんでしたが、『最高のちんぽにしましょう』と説得しました」(担当編集者の扶桑社・髙石智一氏)

結果、元々の同人誌のエッセイを大幅に加筆修正し、私小説というかたちで出版された。

なんといってもそのタイトルである。2月12日、朝日新聞に掲載された新聞広告では、「直接的な性的表現は掲載できない審査規定があったため」、書籍の広告なのに書名が掲載されず、『※書名は書店でお確かめください』との文言が入り、話題を呼んだ。このタイトルを付けた理由を著者のこだまさんがこう語る。

「世の中の人が普通にできていることが、私にはうまくできない。それをストレートに言い表しました。実際その通りの内容ではあるのですが、教員時代の学級崩壊、母との関係など、人の輪にも『入れない』という意味も込めています」

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『おとちん』は冒頭から、そのタイトル通り、衝撃的な告白から始まる。

〈いきなりだが、夫のちんぽが入らない。本気で言っている。交際期間も含めて二十年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない〉

一体どういう状況なのか。多くの読者は「サイズの問題なのでは?」と推測するかもしれない。確かに、「夫のちんぽはかなり大きいほう」だそうだがそれだけではない。大学生のときに知り合ったこの夫婦が初めて交わろうとしたとき、そこにはなぜか「行き止まり」があったのである。

〈まるで陰部を拳で叩かれているような振動が続いた。なぜだか激しく叩かれている。じんじんと痛い。(中略)やがて彼は動きを止めて言った。「おかしいな、まったく入っていかない」「まったく? どういうことですか」「行き止まりになってる」〉

結局、二人はこの日、セックスをすることができなかった。その後も挿入はできずに「手」や「口」でする日々を送る。

 

他の男のちんぽは入る

ちなみに妻=「私」は処女ではなく、高校生のときに一度だけ経験があり、ここでは詳述しないがこれまで、夫以外のちんぽは入った。しかし、なぜか夫のちんぽだけは入らない。

果たしてこんなことが実際にありえるのか。産婦人科医の早乙女智子氏はこう解説する。