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朝日より安倍、NYTよりトランプが支持される「これだけの理由」

メディアはなぜ信用されないのか

「メキシコ国境に壁を作る」と言うトランプ大統領を「間違っている」とメディアは批判する。正しいのはメディアのほうだ。だが、正しいことを言っていれば信用される時代は、もう終わったのだ――。

事実かどうかは関係ない

2月7日、米エマーソン大学が発表した世論調査の結果は衝撃的だった。米国ではメディアよりもトランプのほうが支持されている実態が明らかになったのだ。

メディアを信用できる人――39%
トランプ政権を信用できる人――49%

トランプ米大統領は就任以前から事あるごとに主要メディアを批判し、支持者から喝采を集めてきた。就任後も、ニューヨーク・タイムズ紙やCNNテレビなど、トランプ政権に批判的な有力メディアを締め出しているが、それに対して国民の多くが非難の声を上げることもない。

トランプ大統領は2月16日の会見で、「テレビをつけ、新聞を開くと(政権が)大混乱しているとの記事を目にする。だが、実態は正反対だ。この政権はよく整備された機械のように動いている」と述べたが、トランプ大統領はいくら自分に都合の悪いニュースが報じられてもお構いなし。

それらはすべて「フェイク(偽)ニュース」と断じて、それが支持者たちからさらなる喝采を呼ぶ。

 

米コロンビア大学ジャーナリズム科講師で、3世代にわたるトランプ家の歴史を描いた『TheTrumps』(未邦訳)の著者であるグウェンダ・ブレア氏はこう指摘する。

「主流メディアは『事実は重要である』という考え方に慣れていますが、トランプ氏にとって重要なのは『人が聞きたいことを伝える。それは必ずしも事実ではない』ということです。

トランプ氏は選挙中から、伝統的なニュースや事実解明に力を入れるメディアの信頼性を傷つけることに注力してきました。トランプ氏は恒例のホワイトハウス記者会の夕食会を欠席しますが、それは当然です。自分を非難している主流メディアが多数出席するイベントに出る意味がないからです」

かくして、ツイッターやトランプ政権に好意的なメディアによって、トランプ大統領側の一方的な言い分が発信され、支持者たちはますますトランプ大統領を支持するというわけだ。

「トランプ氏の新しい武器がツイッターです。IT技術によってトランプ氏が自分の言いたいことを、フィルターをかけられずに直接伝えることができるようになったのです。

これはメディアを当惑させるものです。トランプ氏は、事実に対してこれっぽっちも関心がなく、矛盾などを省みることなく発信しています。

一方、メディア側はトランプ氏の140文字のツイッターの矛盾に反論するために、140文字以上を費やさなければいけない。メディアはトランプ氏のツイッターに即座に反応することができないのです」(ブレア氏)

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