野球

野球選手の引退後の「日米格差」について考察する

【ベースボールでビジネスがわかる】第11回

副業で稼いだメジャーリーガー

日米共に開幕を控え、いよいよ野球が盛り上がってきますね。こちらでは田中将大投手(ニューヨーク・ヤンキース)、ダルビッシュ有投手(テキサス・レンジャース)、前田健太投手(ロサンゼルス・ドジャース)、岩隈久志投手(シアトル・マリナーズ)などの各チームの誇るエース級のピッチャーの動向や、調子、今季の活躍の予想などが誌面を賑わせています。

イチロー選手(マイアミ・マーリンズ)に関する報道も増えています。もはや日米共通のレジェンドとして、記録をどこまで伸ばすのか、あの年齢で高い守備力と走力を兼ね揃える理由、などなどあらゆる切り口で解剖されています。

チームメイトだったマリナーズ時代に「イチロー、いつまで現役やるん?」と聞いたことがありますが「1塁まで自分の足で走れんようになったらやめますよ」と笑って言っていました。もちろん、半分は冗談でしょうが、半分は本気でしょうね。「もう(十分、稼いだから)大丈夫やろ」と言っても「そんなことないですよ」とこれも笑っていました。

彼は一流選手であると同時に至高の野球職人でもありますので、どこかで「自分には野球しかない」という不安に似た感情も抱いているのかもしれません。そのあたりの人間臭さもイチロー選手の隠れた魅力ですよね。

イチロー選手のようなスーパースターは別としても、メジャーリーガーの平均勤続年数は約10年と言われています。場合によってはセカンドキャリア、セカンドライフを考えなくてはなりません。MLBも選手会も常にケアしている大きなテーマですね。

 

メジャーの場合は、選手の年俸が日本より高い(昨年は平均400万ドル近い、というデータもありました)です。年金も、5年以上の選手登録があれば受給できますし、一度メジャーで活躍したら、引退後は働く必要がない方は多いですね。暖かい土地に大きな家を建てて趣味を楽しみながら家族と暮らす、という人もたくさんいます。

あとは株式や投資などで資産を運用する選手もいますが、これも元手が多いから安定して運用できるという側面もありますし、本人が資産を動かすというより、ちゃんとしたブレーンをつけているというパターンが多いですね。

現役時代のサイドビジネスをそのまま続けるというケースもあるようです。某ア・リーグ球団のクローザーは、現役時代に少なくとも3ミリオン(年俸3百万ドル)はもらっていたはずなんですが、父親から継いだ貿易関係の会社も経営していて 、「そっちを手伝うから、もう引退するんだ」 と言ってました。ビジネスマンとしてカッコいいなあと憧れたものです。

某人気球団のコーチは、知り合いが中南米とアメリカを行き来する船舶関係の仕事をやっていたらしく、「アメリカ行きの船は積み荷が満載だけど、復路はほとんど空っぽ」という話を聞いてビジネスチャンスを見出し、中南米に輸出する会社との橋渡しをして収入を得ていました。具体的にいくらかは教えてくれませんでしたが、おそらくコーチ業よりも稼いでいたと思います。

このあたりは野球人というより、ビジネスマンとしての才覚かもしれません。おそらく野球をやってなくても、何らかの事業で成功するタイプですよね