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政治政策 中国
なぜ中国のナンバーツーは、魂の抜けた表情で国会に現れたのか
全国人民代表大会・内幕リポート

中国政治の今年のメインイベントは、後半に開かれる5年に一度の中国共産党大会だが、その前哨戦とも言える全国人民代表大会(国会)が、3月5日から15日まで行われている。

毎年のことだが、全国人民代表大会の風景を見ていると、まるで一幅の絵のように、中国政治の「輪郭」が浮かび上がってくる。

 

魂が抜けたような表情で…

初日の5日午前9時からは、人民大会堂で、李克強首相の年に一度の「政府活動報告」が行われた。私は1時間39分に及んだ李首相の演説を、中国中央テレビのインターネット生中継で見た。

まずは司会役の張徳江全国人民代表大会常務委員長(国会議長)が、「代表2924人中、2862人が参席して成立」と前置きして開会を宣言し、全員で国歌斉唱。テレビ画面は、無表情に国歌を口ずさんでいる習近平主席をクローズアップする。

昨年は約30ヵ所も原稿を読み間違え、あげくに「習近平」と読むところを「鄧小平」と読んでしまい、壇上の習近平主席の怒りを買った李首相だったが、今年は無難にこなした。というより、すっかり力が抜けた感があった。ライバル習近平主席との足掛け10年越しの権力闘争には勝負がつきつつあり、李首相に諦念の色が見え始めたのだ。

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私は2013年9月に大連で行われた「夏のダボス会議」で、李克強首相の演説を間近で聞いたが、あの頃は、「オレが中国経済を発展させてやる」という気合いが漲っていた。「オレは農民から宰相になったのだから、恐れるものは何もない」とも豪語していた。

ところがいまや、まるで魂が抜けたような表情で、今回の演説では、「以習近平同志為核心的党中央堅強領導下」(習近平同志を核心とする党中央の堅強な指導のもとで)という枕詞を何度も唱えさせられた。

昨年3月の政府活動報告では、李克強首相の草稿を習近平主席が4回も突き返したが、おそらく今年は、トップとナンバー2の間で、そうした「確執」さえなかったに違いない。そのせいか、そうした枕詞を淡々と読み上げていた。

本来なら、年に一度の全国人民代表大会は、国務院総理の李克強首相と、全国人民大会の張徳江常務委員長(国会議長)が主役となる大会であり、共産党総書記の習近平は「顧問格」であるべきだ。

ところが、大会の独占取材を許されている国営新華社通信の全国人民代表大会のホームページを開くと、いきなり「習近平両会時間」(習近平の両会議=全国人民代表大会と中国人民政治協商会議の日程)「学習進行時」(習近平を学習する)「習近平両会足跡」(習近平の両会議での足跡)「習近平両会新語」(習近平の両会議での新たな発言)「近平Style」(習近平スタイル)という5つのマークが画面に表れる。

まるで「全国人民代表大会のニュース」=「習近平のニュース」のような取り上げられ方をしているのだ。江沢民時代や胡錦濤時代にはありえなかったことである。

そうしたことを前提にして、以下、李克強首相の「政府活動報告」を見ていこう。

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