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韓国 大統領選

朴槿恵氏罷免で韓国激震、次期大統領選と主要候補6人の「対日観」

泥沼の日韓関係に出口はあるか?

大統領罷免の衝撃、早まった次期大統領選挙

3月10日、韓国憲法裁判所は朴槿恵大統領の弾劾を妥当とする判決を下した。史上初めての大統領罷免が決定し、韓国社会に激震が走った。弾劾反対派の激しいデモで死者が出る混乱の中、60日以内の大統領選挙が行われる。

元々、今年12月に予定されていたのが、7ヶ月ほど早まった計算だ。2か月間の短期決戦を制して次期大統領の座を手に入れるのは誰か? そこに、大統領罷免はどのような影響を及ぼすのか。 

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過去の選挙戦を振り返ってみると、韓国の場合、有権者が大統領を選ぶ際に特に重視している基準は3つ。「経済政策」「対北政策」「対米政策」である。

韓国において「対北政策」とは「安保」であり、「対米政策」とは経済政策や対北関係を考えた時に、アメリカの影響力は無視できないほどに大きなものだからである。これらの3つの要素は大統領選挙を控えた討論会やマスコミとの懇談会において必ず問われるチェック項目である。

だが2017年、今年の選挙ではこれ以外にもう一つ重視されている要素がある。「慰安婦問題」に代表される「対日政策」である。

2016年12月、韓国市民団体による釜山日本領事館前従軍慰安婦少女像設置に端を発し日韓関係は急激に冷え込んだ。加えて、対馬仏像返還問題、通貨スワップ中断、駐韓日本大使召還の長期化など、両国の間でくすぶり続けている様々な問題は未解決のまま、次期大統領に託されることになったのだ。

どのような対日観を持った人物が大統領になるのか。これは韓国国民のみならず、日本にとっても関心事ではないだろうか?

これまでの選挙でも、候補者たちに「当選したら独島を訪問しますか」といった質問がされることはあったが、それは、その時、たまたま話題にのぼったから聞いてみたといった程度で、全ての候補者に対して追及するというような質問ではなかった。

これに対し、今年の選挙では立候補を正式に表明していない「候補予備軍」たちにまで必ずと言っていいほど慰安婦問題に対する見解を問い質している。具体的には「慰安婦合意」と「日本公館前の慰安婦像」をそれぞれ、どのように決着させるかといった点に焦点が当てられている。

とはいえ、実のところ「慰安婦問題」では、候補者たちは自らをアピールすることができないだろう。今、候補者あるいは予備軍たちのインタビューを聞いていても、程度の差はあっても方向性はたった一つしかないと言っても過言ではないからだ。

つまり、慰安婦合意を「破棄する」か「再協議する」かの差があるだけで、これまでのところ立候補表明をしていない黄総理を除いては、「遵守すべき」と表明した候補者はいないのだ。

 

ただこれらの回答は、候補者たちの信条というよりは韓国社会に定着してしまった慰安婦問題に対する「国民感情」を刺激したくないという「保身策」というという要素も含まれている。

つまり当選後、必ずしも当初の公約通りに破棄したり、再協議を要求する意志があるとは限らないが、選挙戦では「票」を失わないためには「国民感情」に沿わない発言は控えなければならないという韓国の現実がそこにあるのだ。

今、候補者として有力な6名の経歴と建前を以下に紹介する。