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政治政策 行政・自治体
大人気の「ふるさと納税」、激化する競争に官僚が猛反対するワケ
画期的な制度ではあるが…

官僚が猛反対するワケ

簡単な手続きで豪華な特産品がもらえることから、平成27年度には約130万人が利用した「ふるさと納税」だが、ここへきて人気の過熱に否定的な声が上がっている。

まず指摘されているのは、ふるさと納税の納税額が増えるにともなって、東京都をはじめ都市部の自治体の税収が減っていることだ。また、返礼品の競争が過剰になっている点についても是正が必要だと批判されているのだが、果たしてこれらの議論は妥当なのか。

そもそも、ふるさと納税が創設されたのは、'07年、第一次安倍政権のときで、菅義偉総務大臣(当時)の発案によるものである。自分で選んだ自治体に「寄付」すると、その額に応じて一定の住民税が控除される仕組みだ。

 

この制度の画期的なメリットは、税額控除の仕組みに寄付金の制度がともなっていることにある。つまり、税の使い方を国民みずからが事実上選ぶことができる。それは言うまでもなく、これまでの「官僚の理屈」から考えればあり得ないこと。

彼らは自分で税を徴収し、配分するのが「公正」であると考えてきた。実際、ふるさと納税が創設されるとき、官僚は猛反対していたほどである。

実は当初の制度では、納税額に対して返礼品を送る制度はなく、むしろあまり話題に上がらないようなシステムだった。ところが、返礼品を導入する自治体が増えるにつれ、徐々に人気と競争が過熱していったという経緯がある。

日本の税政上、都市部に集中した税収を地方に再分配するのは至難の業だ。だから国民による自主的な配分を促すことができるふるさと納税は、地方自治体の活発な運営にうってつけの制度である。

実際、都市部の自治体の税収が減っているのは、主導した菅氏の目論見どおりで、多数の政治家や官僚のエゴにとらわれずに再分配を進めることができたといえる。

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