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病気は早く見つけるほど早く死ぬ〜医者が言わない「不都合な真実」

だから健康診断は受けないほうがいい
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「血糖値」を下げれば下げるほど死亡率が高まる

血圧と同様、健康診断で多くの人が気にしている数字が血糖値だ。

糖尿病になれば、毎日インスリンを打たなければならない。ひどい時は合併症で腎症になり人工透析を受けることになる―そのような恐怖心から、血糖値とにらめっこしている高齢者は多いだろう。

だが、こちらの数字もいたずらに下げれば、寿命が延びるわけではないということが種々のデータから明らかになってきている。

血糖を測るための数値としてヘモグロビンA1cというものがある。これまで日本糖尿病学会は、この値が6.5を超えると異常と認めてきた。そして6.2を治療目標値としてきた。だが、このような基準は単に厳しすぎるだけでなく、維持しようとするとかえって健康を害することが最近になってわかってきた。医師の近藤誠氏が語る。

「英国で2万8000人を対象にして実施された2型糖尿病患者の死亡率を分析した研究があります。

血糖降下剤を飲んでいる人たちの死亡率を見ると、ヘモグロビンA1cが7.5付近にとどまる人たちの死亡率が最も低く、それより低い人、日本の基準値で『正常』とされる6.5未満になっている人たちの死亡率はずっと高いことがわかったのです」

「健常者」のほうが「異常者」よりも死にやすいという実に奇怪な状態が生じているのだ。下のグラフを見てほしい。死亡率がU字型を描くようになっているのがわかるだろう。

 

さすがに日本の糖尿病学会もこれまでの基準値を緩めざるをえなくなり、昨年、目や腎臓に生じることがある糖尿病の合併症を予防するための目標値を7.0とした。

「また、『重症低血糖が危惧される薬剤を使用している場合』の治療目標値として65歳以上は7.5未満、75歳以上は8.0未満と改訂しました」(近藤氏)

日本には糖尿病患者が1000万人もいると言われている。内科医にとってみれば、定期的に診察に訪れてくれるいいお客さんだ。健康診断は、そのような「定期的な顧客を生み出すシステム」ともいえる。

血糖値は食餌制限や運動、生活習慣の見直しなどで簡単に下げることができる。医師が細やかな指導をしないで患者を薬漬けにするのは、日本の医学界の歪んだ構造ゆえなのだ。

糖尿病の検査には他にも問題がある。新潟大学名誉教授の岡田正彦氏が語る。

「経口ブドウ糖負荷試験という甘い水を飲んで血糖値を測る検査です。75gものブドウ糖を糖尿病かもしれない人に飲ませる。この検査には二つ問題があります。第一に、この検査をするごとに出る結果がばらばらで、信頼性が低い。そして大量のブドウ糖を飲むことで糖尿病を悪化させるという点です。この検査はやめたほうがいい」

身体を痛めつけてまで行う意味のある検査など、ほとんど存在しないのだ。

数値が7.5を境に、血糖値を下げ過ぎると死亡率が上がる