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企業・経営
「東芝はアップルに売りたい」経産省幹部が漏らしたホンネ
生き残りのカギを握るメモリ事業の行方

メモリー事業をどこに売るのか

かつて石坂泰三、土光敏夫といった経団連会長を歴任した大経営者を輩出した名門、東芝(綱川智社長)は今、一昨年の不正会計事件に端を発した事実上の解体に向かって突き進んでいる。

同社は2月24日の取締役会で、4月1日付で半導体メモリー事業を分社して、すでに設立済みの「東芝メモリ」に継承することを決めた。

東芝が開発したNAND型フラッシュメモリーはモバイル端末に欠かせない部品として、韓国のサムスン電子と世界シェアを二分する超優良事業である。仮に企業価値が2兆円に達するとされる東芝メモリを売却すれば、世界各国からのオファーは引く手数多である。

東芝は傘下の米原子力会社、ウエスチングハウス(WH)による約7000億円に及ぶ巨額損失を抱えており、メモリー事業をいかに高額で売却ができるかどうかが生き残りのカギを握っている。

同事業分社の承認を得る臨時株主総会は3月30日に開かれる。

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そもそも東芝の原子力事業は2016年4~12月期に7125億円の損失を計上する上に、WHの債務を保証しているため同社が米国内サウスカロライナ州とジョージア州で建設中の原発4基の工期が遅れているので損失はさらに膨れ上がる見通しだ。

したがって、WHに対する出資比率引き下げなどでは抜本的な再建が期待できないことから米連邦破産法11条(チャプター・イレブン=日本の民事再生法に相当)の適用申請も視野に入れざるを得ない状況にある。

2011年の東京電力福島第一原発事故に伴う原子炉保全・廃炉作業への協力継続は別として、少なくとも米国の原発建設からの撤退判断が迫られている。

そうした中で、いま注目されているのは東芝の虎の子であるメモリー事業の売却先である。同社の財務状況を抜本的に立て直すためには、分社化後の早い時期に東芝メモリの株式の一部ではなく全株を売却するしか生き残る道はない。

 

新聞報道にあるように、米ウエスタンデジタル(WD)、米マイクロン・テクノロジー、韓国SKハイニックスなど同業他社、台湾の電子機器受託製造サービスの鴻海(ホンハイ)精密工業、欧米の大手ファンドの名前が取り沙汰されている。

事実、鴻海の郭台銘董事長は3月1日、中国・広州での記者会見で東芝の半導体事業について「我々は東芝の経営を助け、資金をつぎ込むことができる」と述べ、並々ならぬ関心を示した。

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