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香港 中国 国際・外交

「平均寿命世界一」に躍進した香港の秘策〜至れり尽くせりシニアケア

ルポ・香港返還から20年【前編】

1997年7月1日の、イギリス側から言うと「返還」、中国側から言うと「回帰」から、間もなく20年目を迎える香港。記念日には少し早いが、2月中旬に訪れたの香港の様子をまじえながら、この20年の変化を前後編に渡って振り返ってみたい。

変貌する街と人

香港では毎年、政府の統計を掲載した年鑑が、中国語と英語とで出版されている。この年鑑の1997年版と2015年版(2016年版は未出版)を見比べてみると、香港の基本的な変化がよくわかる。主な基本データを対比してみよう。

まず、面積が増加しているのが目を引く。18年間で10.69㎢、つまり東京都武蔵野市より少し小さいぐらいの面積なので、日本の市1つ分ほどの土地が出現したことになる。

 

これは埋め立てによるもので、19世紀末から始まり、今に到るまで香港ではあらゆる海岸線で埋め立てが行なわれている。目下著しいのは、香港島と九龍半島に囲まれたビクトリア・.ハーバー両岸の諸ポイントに、「西九龍」と呼ばれる九龍半島の西側一帯、さらにニュータウンの建設が次々と行われている新界の各所である。香港にはゴミ焼却炉がないため、ゴミはすべて埋め立てるので、それによってもじりじりと陸地面積が増えていく。

常に工事中の西九龍地区 photo by Tamaki Matsuoka

この2月に行った時には、「西九龍」では文化センターの建設が進められていた。もともとは佐敦(ジョーダン)のフェリー乗り場があった所を埋め立てて、1998年に空港エクスプレスの九龍駅を地下に作り、さらにその上に高層マンションとショッピングモールを作ったのだが、それ以降も建設が途絶えることなく続けられて今日に到っている。

さらなるマンション群や別の地下鉄の駅もできて、九龍半島の賑やかなエリアまで至近距離の西九龍地区は大人気となったが、今度は政府の文化センターもできることになり、毎日槌音が響いている。