政治政策
森友学園・南スーダン問題では安倍政権が崩れない、これだけの理由
大山鳴動して鼠一匹とはこのことだ

「国会の3点セット」はどれも不発に終わりそう

いま、国会が盛り上がっている。争点は、①天下り、②南スーダン、③テロ等準備法だと。それぞれ担当大臣は、松野文科相、稲田防衛相、金田法務相である。この三大臣への野党からの質問、三大臣の答弁が国会の醍醐味というわけだ。そこで、これらの争点を「国会の3点セット」と呼んでいるそうだ。

①の天下りについては、先週の本コラム「ついに筆者の元に『天下り調査書』が届いたので、公開しよう」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51012)詳しくで書いた。これは、関係者の間ではかなり衝撃的だったようだ。いくつかのメディアから取材も受けた。まさか調査書を公開するとは…と政府関係者もびっくりしているだろう。

もっとも、この種の調査は複数に対して行うものであるから、必ず情報は漏れるものだ。しかも、この調査をバラしても何のペナルティもないはずだ。ただし、筆者以外でこの種の調査をバラすメリットのある人は限定的であろう。むしろ何らかの後ろめたいことがある人ばかりなので、私が言わねば調査内容が明かされる可能性は低かったのかもしれない。

いずれにしても政府調査は進んでおり、天下り規制も強化されそうである。先週のコラムで書いたように、民進党は旧民主党時代に天下り問題に熱心でなかった。もし安倍政権で天下り規制強化が進められれば、民進党のメンツは丸つぶれになるだろう。

②南スーダンについては、ハッキリ言って稲田防衛相の答弁が下手すぎる。南スーダンに派遣された自衛隊の「日報」に「戦闘」という文言が入っていたことを野党が追及しているのはご承知の通り。

もし筆者が答弁するなら、「南スーダンの現場ではみんなクソ忙しいので、『戦闘』という言葉を法律用語として使っていない。そんなことは民主党時代も同じだった」という。そして、議論がさらに盛り上がれば、「国会ではのんびりと法律議論できるが、現場では事件が先行して起こっている」と軽口もたたくかもしれない。

③テロ等準備罪法について。金田法相は法案を国会に提出してから議論してほしい、との紙を配布して、これが問題になっている。これは、金田法相のいうこともわかる。実際、まだ法案は国会提出されていない。それなのに、一部の野党は。過去に提出された共謀罪と決め打って批判する。実際は、懸念を払拭するために、規制対象が限定されるように原案は書き換えられている。

 

今日、街頭で共謀罪反対署名が行われていた。ほとんどの人が署名せずに通り過ぎていた。法案も提出されていないのに、しかも「共謀罪」ではないのに、何に反対するのかさっぱりわからない。テロへの対処をしなくてもいいといわんばかりの反対活動であった。

厳密にはテロではないが、それと同様な犯罪行為として、金正男がクアラルンプールの空港で毒殺されるという、北朝鮮の国家ぐるみの事件もあった。五輪を控えたいま、日本の安全を確保するためにも、組織犯罪への対処を進めるテロ等準備罪法案は必要だろう、と思うのだが。

以上が、野党がいう「3点セット」であるが、こうしてみるとやや迫力不足である。そこで、野党は森友学園への国有地売却を新たな争点にしようとしている。

安倍首相の夫人同学校の名誉校長だったこともあり、国有地の格安売却には政治関与があったはずだという連想で、一気に野党は盛り上がった。安倍首相の政治関与があれば辞任すると首相は言ったが、結論として政治関与はなかった。

そもそも安倍首相がこの問題に関して政治関与していれば、財務省が安倍政権の弱みを握ることになる。消費増税に消極的な安倍首相が、財務省に特典を与えるような政治関与をするはずがないし、政治関与があれば財務省はリークし、とっくに安倍政権は潰れているはずだ。

となると、この国有地売却問題は「近畿財務局の事務ミス」ということだけとなり、大山鳴動して鼠一匹に終わる公算が高い。

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