メディア・マスコミ 大統領選 アメリカ
なんたる皮肉…トランプのおかげで、米メディアの経営が絶好調!
テレビも新聞も軒並み「売り上げ増」

「カネがどんどん入ってくる!」

「君は私に好意的な記者か?」「テレビも新聞も、この政権が大混乱しているとの記事ばかりだが、それは正反対だ。この政権は、とても調子のいい機械のように動いている!」 「フェイクニュースにはうんざりだ!!」――。

2月16日、大統領就任後初となる単独記者会見に臨んだドナルド・トランプ氏は、1時間17分近くにわたり、相変わらずの支離滅裂な発言を繰り広げたうえ、メディアを終始、「嘘つき」呼ばわりした。「フェイクニュース」という言葉は、すでに今年の流行語の最有力候補だろう。2月24日には、ついに米CNNや米ニューヨーク・タイムズなどトランプに批判的なメディアを定例記者会見から締め出す暴挙に出た。

言うまでもなく、嘘つきなのはトランプ自身である。トランプのこれまでの発言を精査している「ポリティファクト」によれば、その発言の約70%は正確ではないという。ちなみにマイク・ペンス副大統領は約45%が不正確で、バラク・オバマ前大統領は約26%の発言が正確ではなかった、というから、トランプの虚言は圧倒的である。

正しい情報を伝えようと全力を尽くしているメディアが、嘘と誇張にまみれた大統領に「フェイク(偽)ニュース」「不正直」とコケにされているのだから、皮肉なものだ。しかし、どんな嘘つきであっても、選挙で選ばれた「大統領閣下」である。絶大な発言力を前に、メディアは劣勢を強いられている。

そんな対立構造の中で、メディアは絶望に打ちひしがれているのかと思いきや、実は、ビジネス的に”ウハウハ”な状況にあるということはあまり知られていない。メディア不況が言われるようになって久しいが、”トランプ現象”が、彼らの利益に貢献しているのだ。

 

そもそも、2016年の大統領選報道からメディアは好況にあった。特にトランプ効果の恩恵を受けているのは、テレビメディアだ。

米3大ネットワークTV局のひとつであるCBS。そのCEOであるレスリー・ムーンベス氏は、2016年2月の段階で、トランプが大統領選挙を有利に戦っていることを指し、「米国にとっては決していいことではないかもしれないが、CBSはボロ儲けである」と、カリフォルニア州で行われたモルガン・スタンレー主催のカンファレンスで発言している。具体的に広告収入などが上がっていることを誇示したうえで、「金がどんどん入ってきて、楽しい状況にある」とまで語っているのだ。

【PHOTO】gettyimages

実際、3大ネットワーク局(CBS、NBC、ABC)のすべてが、選挙開始から2016年にかけて、視聴率が平均で4%ほど増加しているというから驚きだ。

ただ、それ以上にトランプ効果で「ぼろ儲け」しているメディアがある。それが、ケーブル・チャンネルである。