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ライフ 週刊現代

不登校や引きこもりの原因にも…家族が「発達障害」だとわかったら

周囲が認めることがいちばん大切

家事ができない主婦

「あるとき、家でパソコンから目を上げると、怒った夫が食卓をひっくり返していた。私は過度にものごとに集中すると周りが見えなくなる『過集中』があるので、インターネットに夢中になっていて、夫の帰りにも気付かなかったんです。仕事で疲れて帰ってきたのに、ろくに挨拶もしない妻にガマンの限界だったのでしょうね」

こう語るのは、ADHDの傾向が強い発達障害を持つ小山内彩加さん(仮名、51歳)。夫と子供2人の4人家族。5年前に発達障害であると診断されるまで、まったく気付かずに生活を送ってきた。

「子供の頃から、母の手を焼かせる子だったそうです。叱られて『もう勝手にしなさい!』と言われると、他の兄妹はシュンとするのに、私だけ『勝手にしていいんだ、ヤッター』とますます自由に遊んでしまう。言われた言葉をそのまま受け取ってしまうんです。

運動感覚にも障害があるので、よく物を落としたり、こぼしたりします。たとえばコップに水を注ぐのにも、つい他のことに気を取られて水が溢れるまで注いでしまう。片づけも苦手なので、私の部屋は散らかしっぱなしで『ゴミ部屋』。家族には色々と迷惑をかけてきたと思います」

だが、発達障害だと診断されたことで、家族からも「お母さんはこういう障害だから、家事が苦手でもしょうがないよね」という理解が得られたという。

「あまりに私が調子に乗っていると、『障害のせいにしないでよね』と怒られますが……」と笑う。

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発達障害というのは、最近になってようやく認知されてきた概念。本人にそのような障害があると診断されても、家族がそれを認めたがらないケースは多い。つまり、小山内さんのように家族の理解を得られる幸せなパターンばかりではないのだ。発達障害の妻と息子を持つ浦部賢一さん(仮名、38歳)が語る。

「子供が中学校で不登校になったため、先生に相談したところ、『発達障害の疑いがあるから、一度診てもらってはどうか』と勧められました。診断を受けてみて子供の障害はわかったのですが、その過程で『もしかすると、妻も同じ障害かもしれない』と思うようになったのです。

 

妻は普通の主婦です。ただ、ちょっと風変わりなところはあった。いちばん困っていたのが、浪費癖。次々と洋服を買うので、放っておくとクレジットカードの限度額まで使ってしまう。私の知らないところで借金を重ねていたこともあります。

厳しく注意してもどこ吹く風で、私が本気で怒ったら逆にスイッチが切れたみたいに無表情になっていくんです。後から考えてみれば、自分の障害に無自覚で、なぜ怒られているのか本当に理解できなかったのでしょう」