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ライフ

知っておきたい大人の発達障害 〜もしかしたら、あなたも?

「生きづらさ」の原因はこのせいかも

「ちょっと変わってる」と言われ続けて生きてきた人が、大人になって調べてみると、実は発達障害だった――そんなケースが増えている。そして、「障害だとわかって救われた」という人も多いのだ。

メールの文面が雑

「アメリカに留学した後、日本に帰ってきてからコンピュータ関連の企業に就職しました。学生の頃からじっと座っているのが苦手だったのですが、仕事を始めてみると様々な困難に直面しました。

プレッシャーがかかるとケアレスミスをくり返したり、不手際のあった取引先に対して衝動的に激しい怒りのメールを送ってしまって大問題になったり……。

職場ではずっと落ち着きのない『変わった人』と見られてきたと思います。ただ、それが単なる『性格』ではないと気付いたのは、8年前に初めて精神科医のカウンセリングを受けて、ADHD(注意欠陥多動性障害)と診断されたときのことです。つまり私は、30代半ばにして初めて自分の障害に気が付いたのです」

こう語るのは立入勝義氏(42歳)。事業開発とデジタル・マーケティング分野のコンサルタントとして、日米を股にかけて働いている。世界銀行やウォルト・ディズニー社などでの就労経験もあり、傍から見ると完全なグローバル・エリート。障害を抱えているとは思えない経歴だ。

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「私が精神科の診察を受けたきっかけは、当時、経営していた会社にコミュニケーション能力に問題がある社員がいたことでした。バイリンガルでずば抜けた運動神経を持っている男性で、大きな期待を寄せていたのですが、思うような成果が出てこない。

彼のことをよく観察してみると、メールの文面が雑だったり、クライアントと話がかみ合っていなかったりする。そこで彼が何か問題を抱えているのではないかと思って色々調べているうちに、自分自身のこととして、ADHDという発達障害が気になり始めました。

自己診断をしてみると『細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい』『注意を持続することが困難』『指示に従えず、宿題などの課題が果たせない』『しゃべりすぎる』といった主要自覚症状のほとんどが、自分にあてはまると気付いたのです」

実は有名人にも多い

発達障害という言葉が一般的に認識されるようになってきたのはこの10年~20年ほどのことだ。

 

先生の話に集中できない子供が授業中に走り回ったり、好き勝手なことをすることで生じる「学級崩壊」が社会問題化し、ADHDが注目を集めたことが大きなきっかけの一つである。

「障害」という言葉にはネガティブなイメージが付きまとうが、心身の発達が遅れているという意味ではない。脳の器質に原因があり、認知機能が標準的な人と異なることをいう。

大きく分けて、暗黙のルールがわからず対人関係が苦手な自閉スペクトラム症、落ち着きがなく注意力が散漫なADHD、学習面で読むことや書くことなど一部を苦手とするLD(学習障害)に分類され、諸障害が併存している場合もある。