太田宏介選手〔PHOTO〕gettyimages
サッカー
太田宏介はなぜ今「Jリーグ」を選んだか 〜まだ海外でやれるのに
J1開幕直前レポート

なぜJリーグに復帰するのか

海外からJリーグに帰参する選手が増えている。

清武弘嗣(セビージャFC→セレッソ大阪)、太田宏介(フィテッセ→FC東京)、工藤壮人(バンクーバー・ホワイトキャップス→サンフレッチェ広島)、小野裕二(シントトロイデン→サガン鳥栖)、髙萩洋次郎(FCソウル→FC東京)、権田修一(SVホルン→サガン鳥栖)……。

興味深いのは海外挑戦の継続が可能なのに、彼らがJリーグ復帰を選択したということである。

元の所属先に復帰した清武、太田の2人のケースを考えたい。

清武は昨夏、スペインの強豪セビージャに加入。開幕戦でゴールを挙げたが、サミル・ナスリの加入もあって出場機会を減らしていた。

とはいえ、日本代表の実力者に対して移籍のウワサは絶えず、ディポルティボ・ラコルーニャ、ヘルタ・ベルリン、1FCケルン、シャルケ04など多くのクラブが候補として取り沙汰された。しかし彼は海外でのチャレンジに一度区切りをつけて、日本に戻る決断を下した。

 

また、フィテッセでプレーしていた太田は2季目の今季、サイドバックに攻撃参加を求めないヘンク・フレーザー監督の方針もあって一時期レギュラーを外されたものの、11月19日のヘーレンフェーン戦から先発に復帰してチームを波に乗せた。

先発の座を取り戻し、オランダでの日々も充実していたという。監督やクラブのフロントからも強く慰留された。

しかし熟考の末に、オファーを受けた古巣への復帰を選択したのである。

その理由について尋ねると、彼はこう語った。

「難しい決断ではありました。最後のほうはずっと試合に出ていたし、1年で帰るなんて自分でも想定していなかったこと。

ただ来年のロシアW杯を考えると、この1、2年が非常に大事になってくる。ハリルホジッチ監督が海外でプレーすることを好んでいると分かっていながら戻ってきたのは、プレーヤーとしてどう成長できるかを考えてみたときにFC東京でやるほうがベターじゃないか、と。

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オランダでプレーしてみても、Jリーグのレベルは高いなと感じていたんです。(左足のキックという)自分の長所を失いたくなかったし、それを輝かせようとするならやっぱりここ(FC東京)だなと思いました」

太田は日本代表メンバーの当落線上にいる。

昨年9、10月とロシアW杯最終予選のメンバーに選ばれながらも出場機会は訪れていない。

課題にしていたデュエル(決闘)や守備、攻守の切り替えのスピードなどオランダで向上させてきた実感は得た。だが、それだけでは代表に定着するうえでは足りない。ストロングポイントである左足のキックを磨いていくために、Jリーグという舞台を選んだのだった。