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政局 週刊現代
60人の政治部記者に聞いた「小池百合子はいつ総理になるのか」
新聞・テレビでは言えない「本音」

追い風はますます強まり、止む気配もまったくない。東京都民のみならず全国民から圧倒的な支持を得て、彼女は一足飛びに政界の「玉座」をつかむ――。時代の変化をプロはもう読み切っている。

全国支持率80%

「小池氏は総理になるために都知事になったようなもの。事実上の『小池新党』を作ったにもかかわらず自民党を出ようとしないのは、当然、ポスト安倍を考えているから」(読売・30代・男)

「可能性は大いにある。具体的には東京五輪終了後の2期目途中、'21年以降の衆院選で国政に復帰し、総理総裁を狙うだろう」(産経・50代・男)

「これまでの言動を見ても、小池氏本人の意欲は明らか。世論、そして与党内でも小池待望論が出始めている」(毎日・40代・男)

小池百合子東京都知事が、他の追随を許さない。最新の世論調査では、かつての小泉純一郎内閣発足時にも匹敵する、全国支持率約80%という圧倒的人気を見せつけている。

日夜永田町を取材し、小池都知事の誕生後は、都庁・都議会への目配りも怠らない政治部記者たち。彼らの中にも、冒頭に示した通り、小池氏の勢いを高く評価する者が少なくない。しかし一方で、国政から都政へ転身を余儀なくされた小池氏のことを、「じきに賞味期限が切れる」と辛口で評価する記者がいることも事実だ。

プロの目から見て、小池百合子氏が総理になる可能性はあるのか。そして、それは「いつ」なのか。今回本誌は、全国紙、NHK、民放キー局、通信社の政治部記者60人にアンケートを実施した。

 

結論から言えば、「小池総理はあり得る」と答えた記者が31名と、過半数を占めた。小池総理の誕生を後押しするのは、国民の期待の声だけではない。複雑極まる永田町の力学も、彼女をこの国のトップに押し上げようと動き出している。

実現までのシナリオとしては、どのようなものが考えられるのか。現在の流れを踏まえると、最も自然なのが小池新党「都民ファーストの会」の国政進出である。大阪維新の会のごとく、向こう数年で国政にも影響を及ぼす勢力となり、そのトップとして満を持して小池氏が国政に戻る。時期としては、安倍総理退陣後の'20~'21年だ。

「今年7月の都議選での大勝は確実。小池総理実現には、①小池新党で衆議院第一党を狙う ②小池新党で自公政権を過半数割れに追い込み、キャスティングボートを握ったうえで、自民党と連立を組む の2つのルートが考えられます。

しかし①の可能性はきわめて低い。大阪維新と同じく、東京・関東では勝てても、地方で小池新党の候補が現職を破ることは簡単ではないからです。

現実的なのは②。岸田文雄外相、または石破茂前地方創生相が総裁の自民党を相手に、小池新党がある程度勝ちを収める。自公は政権維持のために小池氏に連立を持ちかけ、交換条件として小池氏は自身の首班指名を持ちかける。つまり村山富市内閣、『自社さ政権』パターンの再来です。

肝心な時に弱さが出てしまう石破氏なら、小池氏の迫力に押されて総理の座を譲ることは十分考えられる。『寄らば大樹』が得意技の公明党も、すでに都議会では小池氏といい関係を築いています」(毎日・30代・男)

「'20年夏の東京五輪が終わり、翌'21年9月、安倍総理の総裁任期満了前に行われる総選挙のタイミングで、小池氏は国政に復帰するだろう。

自民党とは対立せざるを得ないので、小池氏を支える政治家は現在の野党議員が中心となる。その頃、自民党の総裁候補はいずれも『帯に短し』。自民党は『弱い総裁を担いで負けるなら、安倍総裁のままのほうがマシ』と、安倍体制のまま総選挙に突入、小池氏に惨敗する」(東京・40代・男)

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さらには、こんな「ウルトラC」を予想する記者もいた。

「小池氏は現在64歳で、年齢を考えると悠長なことはしていられない。都政での小池旋風をあと2年もたせて、'19年夏の参院選直前に知事を辞職し、出馬する可能性がある。

つまり、次期都知事選と参院選のダブル選挙の演出だ。自らの後継の都知事候補とともに選挙運動を展開すれば、話題をさらうことができる。このとき指名する人物としては、やはり最側近の若狭勝衆院議員となるのではないか。

この戦いを機に、自民党からも『このままでは総理や政権幹部にはなれない』と考えるメンバーが小池側につく。具体的には、来年9月の自民党総裁選で安倍総理に惨敗するであろう石破氏、衆院鞍替えの機会を逃し続けている林芳正元防衛相などだ。

彼らのような自民党の非主流派、さらには前原誠司氏・細野豪志氏らといった民進党の保守系も交えて政界再編を仕掛ける」(共同・30代・男)

もし小池氏が「ダブル選」に踏み切れば、安倍総理は完全に虚を突かれることになるだろう。「小池新党なんてしょせん、東京だけの話でしょ」と思っている地方の大多数の有権者にも、最大限に訴えることができる。