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ゴルフ 週刊現代
松山英樹 日本最強ゴルファー 「努力できる天才」 の素顔
全てはマスターズで頂点に立つために

「いまはメジャー制覇以外に夢はないです」。本誌新年号のインタビューにそう答えていた松山。マスターズでその夢をかなえても、もはや誰も驚かない。本誌だけが知る日本最強ゴルファーの素顔とは――。

何かが変わった

「メジャー制覇に足りないものは運だけ」

ゴルフ関係者の間で、松山英樹(24歳)はそう評されていた。

フェニックス・オープン最終日(2月5日・アリゾナ州)、18番ホール。入れば優勝という約5mのバーディパットが、カップの縁で止まる。あと一転がり。松山は今季も「ゴルフの神様」に愛されていないのか――。

ゴルフファンならそう思わずにはいられなかったが、プレーオフで実力を見せつけた。3ホールをパーでしのぐと、4ホール目でバーディパットをカップのド真ん中に見事決めて優勝した。

米ツアー4勝目。丸山茂樹の3勝を超え、日本人最多記録を更新した。

今季の松山は何かが違う。在米ゴルフジャーナリスト・舩越園子氏が言う。

「なにより自信と落ち着きが感じられます。昨年10月から日本ツアー含めて5戦4勝の快進撃を経験して、自分は世界のトップ選手、メジャー制覇を現実的に狙える選手であることを実感したのだと思います。

フェニックスでも、松山は『(緊張感は)別に感じてない。普通です』と言っていましたが、それは本当でした。昨季は思わずクラブを頭上に振りかざすなんてことが多かったですが、今季はほとんどない。それも、技術的なことを含めて自信があるからこそ、我慢すれば巻き返せると思えるようになった。

『必ずチャンスは来ると思って、ずっと待っていた』と優勝直後に言っていましたから」

 

在米ゴルフフォトグラファー・田辺安啓氏もこう明かす。

「昨季の夏場は、松山プロは予選落ちが続き、軽いスランプに陥っていたと思います。親しい記者によれば世界のトッププロの技術を自分も取り入れようと気負いすぎていた部分があったそうです。

そこから『自分はできるんだ』という考え方に変わって10月以降から調子を上げ、それが続いているように見えます。松山プロのスイングを撮影したときに、本人が『縦の軸は絶対にブレない』と話してくれたのが印象的でした。自信を持って自分のスイングを語れるプロは少ないですよ」

急に何かを摑むんだわけではない。米ツアーに本格参戦して4年目。コツコツと努力を積み上げてきた結果だろう。'15年春にはフロリダ州オーランドに一軒家を購入した。隣はゴルフ場。気候に恵まれた拠点で練習に明け暮れているという。

「松山プロのフロリダの自宅は豪華な内装もないし、生活感もあまりない。やや殺風景な雰囲気です。生活用品は必要なものだけで、あとはゴルフクラブが並び、トレーニングやマッサージの器具が置かれている。

松山プロの生活は8割がゴルフ。シーズンオフであろうとも、朝のストレッチやランニングを欠かすことがない。スマホではゴルフ記事をチェックしていますし、関係者に日本から持ってきてほしいとリクエストするのはゴルフ雑誌なんです」(田辺氏)

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