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アメリカが日本ではなく中国と手を組む「トランプショック」を警戒せよ

日米会談で喜んでいる場合じゃなかった

冷戦終結後、最大の「激震」に被災して

本日、『活中論』というタイトルの本を緊急出版した。トランプ時代を迎えて、新たな「中国活用」を唱えたものだ。「いまさら中国?」と言われそうだが、「いまこそ中国」なのである。

すべては1月20日に、アメリカでドナルド・トランプ大統領が就任したことが発端となっている。前世紀末の冷戦終結に伴って世界を席巻したグローバリズムは、世界経済の発展に貢献したものの、副作用として世界各地に社会格差をもたらした。ピケティ教授が説いたように、「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しくなる」という社会を生んだのである。

そのため、世界各地で反グローバリズムのうねりが噴出。そのマグマは昨年夏にBrexit(イギリスのEU脱退)を生み、秋にはとうとうグローバリズムの司令塔だったアメリカで、「モンスター大統領」を産出してしまった。

それによって、世界の「風景」が一変した。いまや私たちは、前世紀末のベルリンの壁崩壊からソ連崩壊に至る冷戦終結後、最大の激震のさなかに投げ出されたのだ。

実は冷戦が崩壊した時、私たち日本人は、それほどの激震を体感していない。それは日本が、アメリカの同盟国として、冷戦の「勝ち組」だったからに他ならない。冷戦崩壊の震源地だったソ連やその傘下にいた東欧諸国などは、国家が崩壊したり体制が転換したりと、大変な苦しみを味わったものだ。あのコワモテのプーチン大統領も、「負け組」ソ連がもたらした「モンスター大統領」に他ならない。

ところが、2017年から始まった「激震」の場合、震源地はホワイトハウスである。そのためアメリカの同盟国である日本は、必然的に「震災」に巻き込まれる運命にあるのだ。

 

そのことを一番自覚しているのは、もしかしたら日本のリーダーである安倍晋三首相かもしれない。だから安倍首相は、この3ヵ月ほどというもの、「モンスター大統領」を手なずけようと必死になった。

安倍首相は昨年11月17日、アメリカ大統領選挙での勝利からわずか8日後に、外国の首脳として初めて、ニューヨークのトランプタワーに馳せ参じた。その時は、現職のオバマ大統領の逆鱗に触れたが、もはやそんなことには構っていられなかったのである。

続いて、この2月10日から12日の週末にも、ワシントンで日米首脳会談を行い、その後はフロリダの別荘まで、トランプ大統領と「エアフォースワン」で飛び、2泊して27ホールもゴルフに興じてきた。

そうした安倍首相の身体を張った努力は、誠に敬服すべきものがある。他の首相なら、そこまではできなかったろうし、あのまま危機に弱い民進党政権が続いていたらと思うと、背筋が寒くなる。

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