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「トランポノミクス」の実現可能性を無視して動く株式市場
カギを握るのはFRBの金融政策か

レーガン政権以来の大型法人減税

ツイッターを通じた「暴言」が止まらないトランプ大統領だが、米国の株式市場は比較的堅調に推移している。

多くのエコノミストが、トランプ政権の経済政策である「トランポノミクス」の効果に対して懐疑的な見方をしている割には、米国の株式市場はそれを織り込んでいないようにも思える。

もっとも、トランプ政権の経済政策で、現段階で前面に出ているのは通商・貿易政策であり、しかも、その対象は自動車、薬品、ITなど一部の産業に限られている。日本企業をはじめとするこれらの産業に属する企業が対米投資を増やしたところで、トランプ氏の掲げる「2500万人の雇用増」は実現できるはずはない。

結局、雇用を目にみえて増やすためには、サービス業を中心とした非製造業に踏み込む必要があり、それは、通商・貿易政策といった「ミクロ経済政策」というよりも、減税政策やインフラ投資といった公共投資などの「マクロ経済政策」が果たす役割の方が大きいと思われる(もっとも、「マクロ経済政策」が有効に機能したとしても、ここから2500万人の雇用増が実現するとも思えないが)。

このトランプ政権のマクロ経済政策については、数週間以内に「とてつもない減税政策」が発表されるとのアナウンスがなされている。マーケットが「トランポノミクス」の実現可能性を評価するのはそれからなのかもしれない。

 

減税政策については、昨年6月に共和党の下院がまとめた「ブルー・プリント(Blue Print)」に詳細にまとめられている。トランプ氏自身が大統領選の際にまとめた「税制改革案」はこの「Blue Print」の内容と若干、異なる部分もあるが、悪名高い「国境税」も含め、素案は、この中ににまとめられている。

従って、「国境税」自体のアイデアは、「保護主義に凝り固まっている」トランプ大統領が勝手に「妄想」したものではなく、共和党の議会(下院)のアイデアが元になっていると思われる。

もし、この「Blue Print」に近い形でトランプ政権の「税制改正」が実施された場合、法人税の実効税率が大きく低下し、かつ、設備投資が実施年に100%償却される可能性が高まる。これは、1981年1月に発足した第一期レーガン政権での税制改正に匹敵する大型の法人減税パッケージとなる。

〔PHOTO〕gettyimages
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