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刑事ドラマ「取り調べシーン」のウソ・ホント〜アレもコレも演出!

『相棒』のようには捜査できません

電気スタンドも湯呑も置いてない

破天荒な主人公がカーチェイスや銃撃戦を繰り広げ、犯人を追い詰めて事件解決へ導く刑事ドラマ。だが最近、『西部警察』や『太陽にほえろ!』といった名作にはお決まりだった派手なシーンは影を潜め、『相棒』や『臨場』などリアル路線のドラマが人気を集めている。

とはいえあくまでドラマである以上、物語に起伏をつける様々な「演出」は今でも仕込まれている。

そんな印象的なシーンのひとつが「取り調べ」である。所轄の警察署の狭い取調室で、刑事コンビと被疑者が対面。小さな窓から薄明るい光が差し込むなか、まったく口を割ろうとしない被疑者にしびれを切らした、強面のほうの刑事が「いいかげん吐けよ!」とスゴむ―。

だが実際には、自供の強要を裁判で疑われかねないため、そのように恫喝することはありえなくなってきたのだとか。

また定番の「カツ丼」も裁判で「買収」の嫌疑がかかるのでNG。ちなみに、部屋の隅の机で自白を一字一句漏らさずに書く、というシーンがあるが、これも演出。実際の取り調べは、基本的に刑事と被疑者のマンツーマンで行われる。電気スタンドや陶器の湯飲みも、破片で自殺を図る可能性もある上、投げつけられたら危険なので置いていない。つまり実際の取調室は、ドラマよりもかなり殺風景である。

そしてドラマではしばしば、マジックミラーのある取調室が登場する。被疑者とのやりとりを聞きながら、ほかの刑事が意見を交わす。『相棒』では、水谷豊扮する杉下右京が、取り調べの内容を聞いて次の捜査場所へ先回りするシーンがある。

だが現実では、右京さんのような行動を取るのは不可能だ。なぜならマジックミラー越しに取調室の話し声を聞くことはできず、内容は調書から知るほかないからだ。

とはいえマジックミラー付きの取調室は、実際の警察でも各署に必ずひとつある。刑事のあいだでは「透視鏡」と呼ばれ、被害者や目撃者に鏡越しに被疑者の顔を確認させる「面通し」に用いられている。(嶋)

週刊現代』2017年2月25日号より