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75歳、現役赤坂芸者の「大人いい女」最強バイブル

読むだけでわかる!

前編http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50866)では婚活市場の「33歳の壁」をめぐる女性の不機嫌についてのレポートと、女性の生き方に対する問題を喚起した。

ヨーロッパ先進国に比べて、若さだけがもてはやされる傾向が強い日本で、年齢を重ねた女性が「大人のいい女」として成熟していくスタンスとはなにか。

後編ではアラサー女性だけでなく、まさに成熟が目の前の課題であるアラフォー世代にも向けて、75歳の赤坂の現役芸者・育子ねえさんが豊かな人生経験をフル稼働して、恋愛や女の生き方を提案する。

ねえさん独自の「大和なでしこ精神」

東京を代表する花柳界といえば、東京六花街(赤坂・新橋・神楽坂・浅草・芳町・向島)を挙げることができる。なかでも有名なのが、赤坂芸者の育子ねえさん。75歳の現役芸者だ。

昨年の春に旭日双光章を受賞した育子ねえさんの“芸者粋”から、女の磨き方を考察したい。

育子ねえさんは1940年、熊本市生まれ。地元で長唄の師匠に弟子入りし、芸者見習いの「半玉(はんぎょく)」となり、64年に上京して赤坂芸者となる。「赤坂一の美人」との評判を呼び、週刊誌の表紙も飾った。

多くの著名人と交流があり、踊りの名手と誉れも高く、現在も週3日以上、お座敷に出ている。赤坂芸者が華麗な踊りを披露する伝統の「赤坂をどり」の発起人の一人と言われ、演目決めの段階から中心的に関わる。

「赤坂をどり」は、集大成に向けて1年間の稽古の後、花柳界の関係者や旦那衆(お座敷のお客様)、その家族などに感謝の気持ちを示す場で、赤坂に勢いがあった時代には、歌舞伎座で公演したこともあった。また置屋の主として、19歳の小梅さんはじめ、若手芸者の育成にも力を注いでいる。

育子ねえさんは恋愛の成就の秘訣を「大和なでしこ精神」とズバリと指摘する。

「『大和なでしこ精神』で、一歩下がって、物事を考えると、恋愛も仕事も、あらゆる人間関係のことも、良く見えてきますよ」

「大和なでしこ」という言葉を日常で使う機会が少なくなったが、テレビドラマファンなら、2000年10月から12月まで、フジテレビの「月9」で放映した松嶋菜々子主演の『やまとなでしこ』を思い出すだろう。“夢見る女の孤独”を見事に演じた松嶋菜々子の代表作の一つだ。

だがここでいう「大和なでしこ」は、ねえさん独自の見解だ。大人の女の風格がきらりと光る。

「一歩下がって見るということは、一歩下がって物事を考えることに繋がるの。つまり自分自身も他の人も客観的に見ることができるってことね。関係が長持ちする秘訣よ」と、自分も周りの状況も“客観視する”の大切さを説く。

「相手に求めてばかりの要求屋さんでは、男心をつかむことができないわね。一歩下がってものを考えていくと、要求だけで繋ぎ留められないこともわかるから。だから一歩下がってものを考える『大和なでしこ精神』って、幸せを引き寄せることなの」

“客観的に自分や周囲を見る”というのは、言い換えると自分中心に物事を捉えることをやめることだ。これは簡単じゃない。理屈ではわかっていても、感情がついていかないこともある。

でも日常的に「一歩下がって相手や状況を眺めてみる」と意識してみると、やがて小さな気づきの連続から、「自分とは何か」を発見できる。

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例えば好きな男性のことがいつも気がかりで、頭から離れない女性がいるとしよう。そんな自分から一歩下がって自身を俯瞰してみると、原因がうっすらと見えてくる。

突き詰めれば、「無愛想な父親の関心を引きたくて幼い頃からもがいていた」というような今まで置き去りにしていた気持ちを掘り起こすことができるかもしれない。さらにそれが現在の男性観にも影響を与えていると気がつくと、恋愛に対する傾向と対策も見えてくる。

男性に甘えたいという傾向がわかると自然にアンテナも張り巡らされるから、理想の相手に早めに気がつくだろう。また好きなタイプと違う人なら、「気にかけてね」と相手にお願いできるだろう。

大事なことは、自分の要求を押し付けずに、相手に「お願いする」というスタンス。「お願い」は、謙虚な気持ちの現れだから。