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眠りが浅い、何度もトイレ、疲れが取れない…そんな悩みも即解決!

深い眠りと爽快な目覚めを取り戻す

退職後はゆっくり眠りたい放題、不眠とは無縁だと思っていた……。だが現実は甘くない――睡眠障害に悩む人はとても多いのだ。若い頃のような深い眠りと爽快な目覚めを取り戻すための秘訣とは?

日本人は世界一眠らない

「60を過ぎて、本当に気持ちよくぐっすり眠れたという夜が少なくなった」

「夜中にトイレで目が覚めてしまって、寝つけないことが多い。そのまま起きてしまうと、今度は昼間眠くてしかたがない。昼寝をするとまた夜眠れないという悪循環です」

誰しも歳を取れば、睡眠に関する悩みが一つや二つはあるはずだ。

人は人生のおよそ3分の1を床の中で過ごす。その時間をいかに有効に過ごすかは、健やかな日常生活に直結する問題である。

だが、日本人はこの貴重な時間をあまりに軽視しているようだ。米ミシガン大学は、スマートフォンで使用されている時差ボケ解消アプリ「Entrain」のユーザー情報を分析し、世界100ヵ国の人々のリアルな睡眠時間を測定した。

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その結果、日本人の睡眠時間は7時間24分、シンガポールと並んで最も短いことがわかったのだ。ちなみに最も長い国はオランダで、8時間12分だった。

日本人の睡眠時間の短さはOECD(経済協力開発機構)の調査でも判明している。'14年の調査では日本人の睡眠時間は7時間43分。韓国人の7時間41分に次いで2番目に短い。同じ東アジアでも中国は、9時間2分も寝ている。

日本大学医学部の内山真教授の試算によると、睡眠時間の不足を原因とする遅刻や欠勤、交通事故などによって生じる国内の経済損失は3兆4693億円にも及ぶという。

現役世代は、仕事やプライベートが忙しくて眠る時間もないという人も多い。しかし、時間に余裕ができたはずの退職後は、今度は眠りたくても眠れなくなるという人が増えてくる。

 

「私のところに来る高齢の患者さんでも『ストレスもないし、身体にいいことをしたいと思って早く寝てゆっくり起きる生活に変えました。でもしょっちゅう夜中に目覚めてしまい、朝起きた時に調子が悪いんです』という悩みをよく聞きます。

これは寝過ぎによって起こる不眠です。例えば22時に寝て7時に起きようと思って9時間も横になっていても、ずっと眠っていることはできません。

最近の研究では、必要な睡眠時間は15歳で8時間、25歳で7時間、45歳で6.5時間、65歳で6時間で、健康な人はそれ以上眠れないのです。だから、寝床で長く過ごすと睡眠が浅くなり目が覚めやすくなるのです」(内山氏)

長く布団にいることで「眠れない」という意識が強まって、かえって眠りが浅くなり、軽い尿意やちょっとした物音で睡眠が分断されることもある。高齢者はそもそも、若い時ほど睡眠時間が必要ないということを理解しておこう。

RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニックの白濱龍太郎氏が語る。

「『自分は不眠だ』と悩んでいる50~60代も多いですが、気にしすぎはよくありません。もっとたくさん寝なければと強迫観念に襲われることで睡眠の質は下がるのです。

よく誤解されていることですが、睡眠の質が高まると言われる『ゴールデンタイム』(夜10時~2時頃)に必ず寝なければならないわけでもない。眠りは個人差があり、その人に合わせたタイミングでホルモンが分泌されます。この時間帯を意識しすぎる必要はありません」