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実名リスト・霞が関全省庁キャリア官僚108人「天下り先と退職金」

もちろん文科省だけじゃない!
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保険会社に天下りをする理由

官僚の天下りが最も多いのが、保険業界だ。今回リストアップしたキャリア官僚108名のうち、実に19名が生損保各社や保険関連団体に天下っている。外資系保険会社の幹部が明かす。

「保険会社が役人の天下りを積極的に受け入れる理由は二つあります。一つは役所の情報を集めるためです。保険は認可商品ですから、監督官庁の認可が下りやすくするには何が必要なのかを情報収集することは極めて重要なのです。

 

二番目は何かあったときに手心を加えてもらおうという下心。保険は営業の仕方まで保険業法で細かく規定されていますが、ぎりぎりのグレーな部分はあります。そうした場合、行政処分を受けるか、指導だけで終わるかは、監督官庁の担当者の気持ち次第の部分も多い。

そうしたとき、担当者の先輩を顧問として受け入れている会社には処分が甘くなることが考えられる。天下りの顧問を通じて、役所側が落とし所をどう考えているのかがわかるだけで大きなメリットです」

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さらに役所のOBは、保険会社にとっても大量の契約を取る「ビジネスチャンス」でもあるのだという。

一連の文科省の天下り問題は、再就職の斡旋をしていたOBが人事課から情報提供を受けていたことが発端だった。このOBが保険代理店の顧問として天下っていたことが、民進党代議士・玉木雄一郎氏らの指摘で判明している。

「つまり、OBが天下っている保険代理店を通じて、損保各社が文科省職員に保険を売り、OBは代理店から顧問料を受け取っているわけです。他の省庁でも同じスキームがあるはずです。すでに、国土交通省にも同様の保険代理店が存在し、そこに国土交通省のOBが天下っています」(玉木氏)

警察OBは「用心棒」として雇う

保険会社にとっては官公庁に出入りする多くの職員から契約を取ることが、天下りとしてOBを受け入れるメリットにもなっているわけだ。

「保険会社は警察からも天下りを数多く受けていますが、これは『用心棒』として雇っている側面があります。保険金の支払いで契約者とトラブルになるケースも多いですし、そこに反社会的勢力が登場することも珍しくありません。警察はそういった扱いに慣れていますからね。防衛省や自衛隊からの天下りも多い。

こちらは日本全国の自衛官に生命保険や自動車保険、火災保険を買ってもらうのが目的です」(前出・保険会社幹部)

この発言を裏付けるように、元警察庁長官の米田壯氏(64歳)が東京海上日動に、元警察大学校長の竹内直人氏(57歳)が明治安田生命に、元防衛審議官の徳地秀士氏(61歳)が三井住友海上に、それぞれ顧問として天下っている。

自分たちは甘い汁を吸い、一方で国民には増税で負担を押し付ける――。どんなに批判を受けても、国民を舐めたこの体質は変わらない。