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実名リスト・霞が関全省庁キャリア官僚108人「天下り先と退職金」
もちろん文科省だけじゃない!
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「暇だ、暇だ」と愚痴

石黒氏の同期で、経産事務次官を2年務めた立岡恒良氏(59歳)は、各方面からひっぱりだこだ。'15年に退官するや、東海地方のエネルギー会社、TOKAIホールディングスの顧問に就任。

その後もNTTデータ経営研究所レイヤーズ・コンサルティングなどの顧問を引き受け、昨年はニトリホールディングス旭化成日本生命といった有名企業の社外取締役や特別顧問にも就任している。

外務省では、前事務次官の齋木昭隆氏(64歳)も複数の企業で顧問を務める。昨年6月に退任して、間をおかず、伊藤園三菱商事プリンスホテルの顧問に収まった。

厚生労働省では、冤罪事件で逮捕され、後に事務次官に抜擢された村木厚子氏(61歳)が数多くの団体で要職を務める。大阪大学男女協働推進センター招へい教授、コニカミノルタのアドバイザー、大妻学院理事、伊藤忠商事社外取締役に加えて、いくつもの公益財団法人などの役員に名を連ねる。

事務次官まで務めたのだから、頭脳は優秀なのだろうが、民間企業の経験のない人物に大企業の要職が務まるのかは大いに疑問である。文部科学省の元幹部が明かす。

 

「何もしなくていい、というのが実情です。企業にしてみれば、所管官庁の元幹部が天下りしていることで官庁とのやり取りがスムーズになるし、それが一番のメリットなんです。

外務省出身者を雇うのは海外でビジネスを展開している企業が多い。進出しようとしている地域に関して、ご見識を賜ります。別にビジネスの手腕を期待しているわけではありません。

それよりも問題なのは、財団法人などに理事として天下った官僚です。いつ会っても『暇だ、暇だ』と言っています」

そういった天下りがとくに多いのが、国土交通省だ。OBの再就職先を見ても、森記念財団国土計画協会民間都市開発推進機構日本建築センター道路新産業開発機構橋梁調査会日本建設情報総合センターといった一般財団法人の名前がずらりと並ぶ。

国交省で局長以上にまで出世すれば、こうした法人の理事長や副理事長として迎え入れられる。

「本人は仕事をしたいという気持ちもあるようなのですが、事務などの単純作業をさせるわけにはいきませんし、重要な仕事を任せるとなると部下を付けなければならず、余計な人件費がかかる。個室が用意されていますが、座敷牢みたいなもので、そこで新聞や雑誌に目を通して、時間を潰すのに必死です。

現場のスタッフは財団が独自に採用していますから、彼らからすれば、仕事もしないのに高い給料をもらっている天下りは無能な老人としか思っていません。もちろん、元役人の側もそうした気持ちには気づいているのですが、それでもしがみつくしかないのが、役人の性なのでしょう」(前出・文科省元幹部)

総務省ではジャニーズ事務所所属の櫻井翔の父親で、昨年、事務次官を退任した桜井俊氏(63歳)が三井住友信託銀行の顧問に就任したことが話題を集めた。元総務省中堅官僚が解説する。

「旧郵政省(総務省)が『かんぽ』で集めた資金を信託銀行で運用していた時代の名残で、今も信託銀行には役人が数多く天下っています。桜井さんは在職中、通信畑でしたから、信託銀行で活躍できるとは思えませんが、何か起こったときのために役所の元トップとつながりがあるというのは大きいのでしょう」

桜井氏の他には、元内閣官房国土強靭化推進室審議官(総務省出身)の佐々木克樹氏(59歳)が三井住友信託銀行、元内閣府審議官(防衛省出身)の井上源三氏(62歳)が三菱UFJ信託銀行の顧問として天下っている。