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アメリカ経済を混乱に陥れる「消費者アクティビズム」という新たな病

「親トラ」であれ、「反トラ」であれ…

3分の1が抗議に屈する

トランプ政権が誕生してから2週間。この短期間で新大統領が数多の騒動を起こし、米国を混乱に陥れていることはご承知の通りだが、いま米国では、トランプ大統領の誕生によって興味深い現象が起こっている。それは、「消費者アクティビズム」の台頭である。

「消費者アクティビズム」とは、簡単に言えば、個人の消費者や団体などが不買キャンペーンなどを通して、企業や組織に対して自分たちの主張を訴えることだ。

2017年1月、米アウトドアブランドのL.L.Beanが、突如インターネット発の不買運動に直面して騒動になった。その理由は、同社創業者の孫であるリンダ・ビーンが米大統領選でトランプの支援団体に多額の寄付をしていたことが発覚したからだ。

L.L.Beanボイコット運動を呼びかけたのは、反トランプ主義を掲げる「グラッブ・ユア・ウォレット」という組織だ。この組織は、トランプを支持する企業などをリストアップし、不買を訴える反トランプ活動に乗り出している(同様に反トランプの「消費者アクティビズム」に乗り出している「ドナルド・J・トランプ・レジスタンス」という組織も有名だ)。

 

その後、同社の現経営陣が騒ぎを鎮めるために「社として支援することはない」とコメントを発表したり、トランプがリンダ・ビーンを擁護して「L.L.Beanを購入しよう」とツイートするなどしたため、全米を巻き込んだ大きな騒動になった。

このように、消費者アクティビズムの標的になった企業やブランドは、デモや不買運動など執拗に”攻撃”される恐れがある。打つ手を間違えれば、売り上げはもちろん株価にも影響するため、企業にとってもその対応は難しい。米国のある調査によれば、最終的には3分の1以上の確率で企業は抗議者の要求に応じてしまうという。

こうした企業をターゲットにした抗議活動は昔から存在しており、小規模な消費者団体のクレームから環境保護団体などの大規模なキャンペーンまで多岐にわたる。最近はSNSなどを駆使して巧妙かつ効率的なグルーピングを行っており、その存在感は日々増している。ただ、消費者団体の中には過激な思想を掲げたり、時に執拗で感情的な活動を続けたりすることがあるために、そのやり方を批判する向きもある。

そんな「消費者アクティビズム」だが、嵐を呼ぶトランプ大統領の誕生で、改めてその存在が目立つようになった。L.L.Beanのケースはその最新例だ。