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人口・少子高齢化 格差・貧困 経済・財政
日本が「人口減少」をプラスに変えてゆくために、一番大切なこと
あたらしい「この国のかたち」とは

問題の本質には連続性がある

まことに小さな国が、衰退期をむかえようとしている。
その列島のなかの一つの島が四国であり、四国は、讃岐、阿波、土佐、伊予にわかれている。讃岐の首邑は高松。

と、これは、読者諸氏がよくご存じの『坂の上の雲』の冒頭の、出来の悪い贋作である。

実際の司馬遼太郎さんの小説は、「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている」という印象的な一文で始まる。舞台はもちろん、讃岐ではなく伊予、松山。ではなぜ讃岐なのかという話は、後述する。

さて、『下り坂をそろそろと下る』(講談社現代新書)では、明治近代の成立と、戦後復興・高度経済成長という二つの大きな坂を、二つながらに見事に登り切った私たち日本人が、それでは、その急坂を、どうやってそろりそろりと下っていけばいいのかを、旅の日記のように記しながら考えている。

ひらた・おりざ 1962年生まれ。国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成。劇作家。日本人のあり方を考察し5万部を突破した話題の著書『下り坂をそろそろと下る』がこのたび、新書大賞2017(中央公論新社主催)のベスト5(第4位)に選出された。

もちろん、世の中には、「いやいや、この国は、もう一度、さらに大きな坂を登るのだ、登ることが出来るのだ」と考えている人もまた、多くいることは承知している。

あるいは、先に私は、「私たち日本人が」と書いたが、その頃の日本人と、いまの日本列島に住む若者たちは、もはや同じではあり得ないのだという考えもあるかもしれない。

私はそうも思っていないが、かつての輝かしい(と見える)日本人と、いまの日本の若者たちの、ちょうど中間に立つ私たちの世代は、「いや、そうは変わっていませんよ」とか、あるいは、「問題の本質には連続性がありますよ」というようなことを語れる数少ない立場かもしれない。

まぁ、とりあえず、そういったことどもも考え合わせながら、ゆっくりと、この長い坂を下っていければと思っている。

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