Photo by GettyImages
国際・外交 アメリカ

私たちの年金をトランプへの「貢ぎ物」にしようとしたのは誰か?

国民不在の呆れた手柄争い

我々の年金を貢ぎ物に?

「報道にはあっているものもあれば、そうでないものもある。政府として、この報道のような検討をしているわけではない」

「そもそも、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に対して、あれを買え、これを買えなどと指図する権限は私にはない」――。

安倍晋三首相は先週金曜日(2月3日)の衆議院予算委員会の答弁で、こう語り、ある報道をきっぱりと否定した。

その報道とは、今週末、安倍首相が渡米、会談するトランプ米大統領への手土産として、日本政府が米国の雇用拡大を促す経済包括策を用意、その中にGPIFが運用している我々国民の年金資金を(トランプ氏が大統領選挙中に公約した)米国のインフラ投資に充てる案を盛り込むという、あってはならない話だ。

Photo by GettyImages

安倍首相には、かつてGPIFの株式投資枠を前倒しで劇的に拡大して日本株投資の急拡大を促し、年金資金をリスクにさらしておきながら、そのことには触れずに「アベノミクスが株高に貢献した」と無邪気にはしゃいだ”前科”がある。

あれから数年が経ち、今回は「国民のために、独立機関のGPIFが独自に判断して運用する」という年金運用の大原則を尊重する姿勢を明確にしてみせたことに、首相の政治家としての成長を感じた読者も多いのではないだろうか。

しかし、手放しに喜ぶのはまだ早い。今回の騒動は、東京・永田町の首相官邸に、前近代的な朝貢外交を彷彿させるような時代錯誤の政策パッケージ案を密かに策定して、一部メディアにリークする勢力が存在する事実を浮き彫りにしたからだ。

実は、安倍政権において地道で真っ当な政策が立案され難い理由の一つが、ここにある。我々国民の将来がどうなろうと、自分たちの手柄さえ演出できればよいという魑魅魍魎が首相官邸を跋扈しているのだ。

 
この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら