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まさかが現実になる!? トランプの日本口撃が怖すぎる

驚くべき知的水準…

メキシコ国境に壁を作るぞ、TPPなんてクソくらえ――威勢のいい言葉は、票集めのための空約束ではなかった。史上最も「知的水準の低さ」が危ぶまれる大統領の言動に、世界が震撼している。

水責め拷問を肯定

「壁の建設は数ヵ月以内には始まるだろう」

1月25日、メキシコ国境沿いに壁を設けるという大統領令に署名したドナルド・トランプ大統領は、米ABCニュースのインタビューでこう明言した。「現代の万里の長城」「どうせ実現できるはずがない」と揶揄されてきた政策が実行に移された瞬間だった。

トランプ氏は他にも矢継ぎ早に大統領令に署名、自らの政策実現に向けて動き出した。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの永久的離脱、環境的配慮から凍結されていた石油パイプライン施設工事の再開など、半年前には実現不可能と思われていた政策を次々に具体化、しまいには水責めの効果を肯定しつつ、過酷な拷問の復活まで示唆した。

外交ジャーナリストの手嶋龍一氏が語る。

「過激な発言は選挙で人気を集めるためのもの、実際に大統領に就任すれば、穏健な姿勢を示すだろう――日本やヨーロッパの識者は、そう考えていました。

しかし、その憶測が間違いだったことがはっきりした。大統領が口にした瞬間、どんな破天荒に見える政策も現実として独り歩きし始めるのです」

 

まさかと思うことが現実になる様子を目の当たりにして、世界中の良識ある人々が、クビを傾げている――この男は正真正銘の「バカ」なんじゃないかと。就任演説の内容もその疑念をふくらませた。

「権力を取り戻すのです、あなたたち国民に」という一節が、『バットマン』に登場する悪役の発言そのままだったのだ。

「大統領の演説は、建国の理念である自由や民主主義について触れながら、人々の心に訴えかけるべきものです。娯楽映画の、しかも悪役の台詞を引用するなんて前代未聞のこと」(外務省関係者)

新聞やテレビなどの旧来のメディアと敵対するトランプ氏は、ツイッターを使って情報発信することを好んでいる。

「わずか140字の短い文面で、自分の気に入らない敵をやり玉に挙げるのです。その手法は橋下徹元大阪市長のそれを彷彿とさせますが、言うまでもなくトランプ氏はアメリカの大統領。影響力が違い過ぎます」(前出の外務省関係者)

エコノミストで丸三証券経済調査部長の安達誠司氏が語る。

「最初に無理筋な話をしておいて、自分の有利なほうへと誘導する――いかにもアメリカのビジネスマンがやりそうなことです。私の知り合いのアメリカ人投資家もそういう交渉のしかたをする。

発言の内容と、想定している落としどころにはズレがあると思います。その辺りのことをよく承知した上で、交渉のテーブルに着く必要がある」

ビジネスの世界では、そのような放言も「ブラフ」として通用したのかもしれない。だが、政治とビジネスが別世界であることは言わずもがな。トランプ氏はそのことが理解できないか、理解しようとしない。

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自宅に本が一冊もない

トランプ氏のことを間近で見てきた人物も、その危険性を憂慮している。'80年代にトランプ氏のゴーストライターとして18ヵ月に及ぶ長期取材を行ったトニー・シュウォーツ氏である。

「どのような話題をふってみても、インタビューが5分と続くことはありませんでした。彼は一つのテーマに集中することができない性格で、過去のことを聞いても『終わったことを話してもしょうがない』と怒り出す始末。まるで教室でじっとしていられない幼稚園児のようでした。

トランプ氏のような人物が、核ミサイルのボタンを押す決定権を握っているということは、恐怖以外のなにものでもありません」