スポーツプレミア

今年のテーマは異文化コラボで「仲間をつくろう!」

日本舞踊、茶道、コンサート…

先日、NPO法人STANDの顧問の先生に事業の報告に行きました。この方はいつも「ピリッ」「グサッ」、そして「ほろり」とくるひと言をくださるとても大切な方です。パラスポーツの体験会にもスーツ姿ではなく、ジーンズをはいて気さくに来てくださいます。

さて、NPOを始めて13年。いろいろな方から「いいことをやってますね」と褒めていただきます。とても嬉しく思っています。

そんな中で先日、顧問の先生はこんなことを言ってくださいました。「ピリッ」ときて「グサッ」ときたひと言でした。

「いいことやってますね。でも、NPOの人の多くは、自分の所だけがすごくいいことやってるって思っている感じがするなぁ。その通りなのはよく分かります。でも自分たちだけで頑張るのではなく、みんなが力を合わせたら、もっといいことができるんじゃないかなぁ」と。

「う~ん」と唸って、そして猛省しました。

そもそも自分の力だけでできることなんてひとつもないのに、気がつくと自分だけ、自分たちだけでやろうとしていました。これはいけません。大切なことをご教授いただいたことに感謝でいっぱいです。

そこで今年は「仲間をつくる」ことにしました。

写真提供:広島車いすダンスくらぶ

異文化とのコラボで新たな展開を

振り返ればこれまでにいろいろな方たちと出会ってきました。日本舞踊の先生、茶道の先生、障がいのあるアーティストのコンサートを主催している方々などです。今年はこの方たちに仲間になってもらおう、と考えたのです。

私たちは年間を通じて、パラスポーツの体験会、シンポジウム、ボランティアアカデミーなど、パラスポーツを軸にした活動を行っています。言い換えると、パラスポーツに「限定した」とも言えます。

そこで、たとえば日舞の先生とコラボレーションをすると、いつもの体験会やシンポジウムにこんな新しい流れが生まれます。イベントの合間に壇上から「みなさん、日本舞踊で体を動かしてみましょう!」と声をかければ、みんな見よう見まねで踊りだす。考えただけで楽しそうです。

 

茶道の先生はこんなことをおっしゃっていました。

「お恥ずかしいことに、お茶の教室は正座ができなかったり、視覚に障がいがあったりすると作法が伝えられない。そう思い込んで、これまで障がいのあるお弟子さんをとれなかったんです。でも、たくさんの人にお茶を楽しんでほしい。そのためにパラスポーツのイベントで茶道を披露すれば、車椅子でも視覚に障がいがある方でもお茶を楽しむことができる。もっともっと多くの方にお茶を楽しんでもらえたらいいなと思っています」

コンサート関係の方からは「休憩時間に体育館で演奏するというのはどうでしょう」という声をかけていただきました。参加した方が楽しめるのはもちろん、アーティストの知り合いの方、ファンの方がパラスポーツ体験会に足を運ぶきっかけにもなります。

さらに話をうかがうと「障がいがある演奏者も全国にたくさんいます」とのこと。また、車椅子ダンスやブラインドダンスの方々とも交流をしています。

そういえば、STANDのそもそものコンセプトには「スポーツ」「パラスポーツ」という言葉はありません。あるのは「共生社会を目指そう」という理念です。パラスポーツは共生社会へ向かうツールのひとつとして有効で、また、スポーツは世界共通の文化のひとつでもあります。だから「パラスポーツを通して共生社会を」という活動をしています。

今年は、前述のような様々な分野の方たちと、単なる交流から一歩踏み込んで、「仲間になる」ことにしました。

パラスポーツでやってきたことが、他のジャンルのいろいろな人たちとの出会いを生んで、そして共に何かをつくり出すきっかけになってくれたのではないか、そう思うようになりました。「自分たちだけでやるより、力を合わせたらもっといい」。まさに顧問の先生が言ってくださったことです。

さて、ここから何が生まれるのでしょうか? いつもの、「やってみないとわからない」「わからないからおもしろい」の精神で、様々な異なる文化の人たちに仲間になっていただいて、新しいことに取り組みたいと思っています。そこに素敵な“化学反応”が起きるのを期待して……。