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トランプの「円安牽制」口撃に、日本はどう応えるべきなのか?

量的緩和縮小だけはあり得ない

「金利差」ではなく「マネーサプライ」

大統領就任後もトランプ氏の暴走は止まらない。連日、様々な発言で物議を醸している。

そして、ついに、従来からトランプ大統領が主張してきた二国間での個別の貿易交渉に、為替レートに関する条項を組み込む旨の発言を行い、対米貿易黒字国である中国やドイツへの批判を展開しはじめた。

同時に、日本の貿易黒字についても、「不当な円安」がその背景にあるとして、円安に対する牽制発言を行った。このため、マーケットでは、一部で円高懸念も台頭しつつあるようだ。

とはいえ、現在、ドル円レートは1ドル=113円前後で推移しており、それほど急激な円高というわけでもない。

筆者は、現在のドル円レートの水準はむしろ、やや「行き過ぎた円安」ではないかと考えている。

これまでにも当コラムで何度か言及してきたが、筆者は、筆者の考えるドル円レートのフレームワーク(日米のマネタリーベースの動き)をもとに、昨年末時点でのドル円レートの想定値を1ドル=105~110円程度であると考えていた(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50068)。

だが、実際にはそれ以上の円安で推移している。「誤差」を考えれば、現時点での為替レート水準にはそれほど大きな違和感はないが、もう少し円高になっても違和感はない。

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今回の「円安牽制発言」で興味深い点は、トランプ大統領が、ここまでの円安を「日米の資金供給(マネーサプライ)の違い」で説明しようとしていた点である。ちなみに、トランプ発言の文脈から考えると、「マネーサプライ」とは「マネタリーベース」のことを指しているのではないかと推測される。

「為替レートがどのように決まるか」という問いかけを様々な人にした場合、「金利差(ドル円レートの場合は日米金利差)の動き」を為替レートの変動要因と考える人がほとんどだ。これは、「為替アナリスト」といわれる「専門家」もそうだし、彼らの話を聴く機会の多い財務畑のビジネスマンもそうである。

その流れからいえば、トランプ大統領も、日本の長短金利が米国に比べ異常に低いことを円安の理由に挙げてもおかしくない。だが、彼は敢えて「マネーサプライ(マネタリーベース)」に言及した。

これは非常に興味深い。今後、トランプ大統領が、具体的に名指しで日銀の量的緩和政策に口出ししてくるかどうかは非常に注目されるところになるかもしれない。

 
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