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アメリカ
「移民の大統領夫人」はトランプ政権にとって不都合な存在?
メラニアはアメリカの「母」になれるか

近年「ワースト2」の低人気

メラニア・トランプはどんな大統領夫人になるのだろうか。

旧ユーゴスラビア(現スロベニア)出身のメラニア夫人は、外国出身の大統領夫人としては史上2人目だ。

1人目は第6代大統領ジョン・クインシー・アダムズ夫人でイギリス出身である。だが、アダムズ夫人は、独立戦争年に当時の宗主国イギリスで生まれていて、父親もアメリカ人だった。現代的な意味で「外国出身」の大統領夫人はメラニア夫人が初めてとも言えるだろう。

メラニア夫人は母語がスロベニア語であり、アダムズ夫人がフランス語で育ったことを除けば、初の非英語ネイティブスピーカーの大統領夫人でもある。しかも、メラニア夫人は英語のほかにフランス語、ドイツ語、セルビア語など合計5言語を操る「多言語話者」でもあり、息子のバロン君もスロベニア語を話せるように育てているという。

トランプ大統領の「反移民」「孤立主義」とは符号しない夫人の「国際性」が興味深い。

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しかし、ワシントンポスト/ABC News調べによる大統領候補夫人の好感度調査では、1992年以降でメラニアは下から数えて2番目に人気のない夫人である。ちなみにワースト1はヒラリーで、1番人気はブッシュ父夫人のバーバラだった。

だが、これはあくまで大統領選挙中の大統領候補夫人についての調査で、大統領夫人としてはメラニアの評価は未知数だ。

大統領夫人の類型

ピューリサーチセンター調査によれば、大統領夫人としての評価は、近年ではミシェル・オバマの支持率が高かった。ミシェルの2015年までの平均支持率は69%。ローラ・ブッシュは平均65%で、ヒラリーは平均55%だった。

 

大統領夫人の支持率にはいくつかの傾向がある。

1つは夫の大統領の支持率に連動する型である。近年ではローラがこのタイプだった。2期目は夫のブッシュ大統領の支持率低下と共に沈んでいった。夫を支える良妻賢母型のイメージの夫人は政権や夫の支持率と一蓮托生になりがちだ。

もう1つは独自の乱高下を示す型で、ヒラリーがこのタイプであった。1993年の就任時、約60%と夫のクリントン大統領を上回る支持率でスタートしたものの、座長として推進した医療制度改革が保守派のバッシングを受け、1996年に42%にまで降下した。

だが、夫のビル・クリントン大統領が順調に支持率を上げて再選した流れと、ヒラリーの支持率は一致していない。政権末期のモニカ・ルインスキーのスキャンダルでも、気丈な姿勢を貫き支持は上昇した。

ヒラリーが活躍すると、ビルの支持率が下がり、ヒラリーが裏に引っ込むとビルが輝く。不思議な「シーソー関係」だった。

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クリントン政権、混乱の原因に…

1993年、ヒラリーは世間の好奇の目のなかホワイトハウスに乗り込んだ。当時、メディアは「双頭大統領制」の誕生だと騒いだ。

有権者の直接の選抜を受けていないファーストレディを「もうひとりの大統領」とすることには賛否両論ありながらも、政権発足当初は、ヒラリーはすべての会議に出席していたし、政策について踏み込んだ発言をしていた。事実上、首席補佐官のような役割を果たしていた時期がある。