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サッカー

W杯出場枠32→48へ! 拡大による「恩恵」と「弊害」

日本にとっては躍進のチャンスだ

W杯出場枠拡大の狙い

2026年ワールドカップの本大会出場チームが「32」から「48」に拡大されることが、FIFA(国際サッカー連盟)の理事会で正式に決定した。

ジャンニ・インファンティーノ会長は昨年2月の会長選挙において40チーム拡大案を掲げて当選しており、秋にはさらに拡大した48チーム案を明かしていた。

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長〔PHOTO〕gettyimages

欧州でプレーする選手たちの負担が大きくなることを懸念した欧州クラブ協会(ECA)が反対の意を表明したものの、思った以上にスンナリと決まった印象を受ける。

FIFAの狙い(会長の狙いと言うべきか)は、ECAのカール・ハインツ・ルンメニゲ会長が指摘したように「政治と商業」だろう。拡大に伴う放映権料アップなどFIFAによれば約6億4000万ドル(約740億円)の収益増が見込めるという。

W杯の間口を広げることで多くの国々の支持を集められれば、新会長の「政治」もやりやすくなってくるというわけである。

とはいえ拡大によって、サッカー後進国を引き上げるメリットがあるのも確か。日本が初めて出場した1998年のフランスW杯は、出場国が「24」から「32」に拡大された。それに伴い、AFC(アジアサッカー連盟)枠も「2」から「3.5」に増加した。

日本はその恩恵を受けてW杯に出場できたことでフランス大会以降、代表の強化が進み02年日韓大会、10年南アフリカ大会では決勝トーナメントに進出している。今回の拡大によって、かつての日本のようなチームが出てくることも考えられる。

 

日本の立場に立てば、良いニュースであることは間違いない。

ブラジルW杯でアジア勢は0勝9敗3分けと1勝もできず、大会後は「ロシアW杯のAFC枠が減らされるのではないか」と懸念する声も多かった。それが減るどころか、2、3枠は増えるという見方が出ているのだから歓迎すべきだろう。アジアのみならず、拡大した枠は各大陸に平均して振り分けられることになるのではないだろうか。

しかしながら、様々なレベルのチームが混在する大会となるため、サッカーの質は下がると見ていい。

昨年、枠が「16」から「24」に増えたEUROでも同様の指摘はあった。試合増に伴って前回大会よりも堅いゲームが多かった。大会をチェックしていた遠藤保仁も「守備に力を入れたチームが健闘した印象が強いですね」と感想を語っていた。

たとえばハンガリーは拡大の恩恵を受けてプレーオフで勝ち上がってきた。グループFで1位通過しながら、決勝トーナメント1回戦でベルギー相手に0-4と大敗を喫している。強豪国は余力を残しながらグループリーグを勝ち上がろうとするため、退屈な試合も少なくなかった。

その意味においてゲームの質、プレーの質が損なわれてしまえば、ファンを減らすことにもなりかねない。