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ドイツ政府を「フェイクニュース」規制に駆りたてた不穏な潮流

「言論の自由」と「言論統制」の狭間で

対処が遅れれば罰金も

1月中旬、ドイツ政府が、Facebookなどで拡散されるフェイクニュース(嘘ニュース)、誹謗、中傷などに対する取り締まりを強化するという話が一斉に報道された。

「この書き込みはおかしい」と思った人が届け出ると、それがチェックされる。ドイツ政府はFacebookにも、苦情のあった書き込みについて24時間以内に対応するよう申し入れたとのこと。対処が遅れれば罰金を科すことも考えているというから、ただ事ではない(https://www.tagesschau.de/inland/facebook-fakenews-105.html)。

では、Facebookに書き込まれた情報が嘘であるかどうかは、誰が決めるのか? チェック機関として第一に挙がっているのが「Correctiv」という、1年ほど前に設立された公益団体だ。

Correctivはリサーチ機関で、寄付で賄われているという。ホームページの冒頭には、「私たちは信じない。裏を探り、解明する」と大書されている。ただし、サポーターは草莽の民だけではない。

同ホームページに公開されている収入欄を見ると、Brost財団の寄付がトップで、2014年に67万5,000ユーロ(1ユーロ=120円として8,100万円)2015年に144万7,090ユーロ(同約1億7,000万円)、2016年に92万5,000ユーロ(同1億1,000万円)と大規模だ。その他、連邦政治教育センターや各種財団法人、ドイツ銀行、そして多くの大手メディアも大型寄付者として名を連ねている。

ただ、Correctivがどのような基準でフェイクニュースを特定するのかということについては、まだ明確な表明はない。

11月にトランプ氏が次期大統領に決まったあと、ロシアのハッキング問題が浮上した。“ロシアのハッカーたちが、アメリカの大統領選を撹乱させた”、“その陣頭指揮をしていたのがプーチン大統領本人であった”というような話だ。

ドイツメディアは最初のうち、それについてはかなり控えめな報道をしていた。ニュースでの言い回しも、「ロシアがやったとアメリカが主張しているハッキング」とか、「いわゆるロシアのハッキング」など、事実である証拠が希薄ということをわざわざ匂わせていた。

そうこうするうちに、アメリカは、見せしめのようにロシアの外交官を35人も追放してしまった。

 
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