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野球

僕らの心を鷲掴みにしたプロ野球「珍・外国人選手」ベスト10

シピン、アニマル、クロマティ…

隠し球が得意だったアイルランド

パンチ佐藤 広島ファンの福井さんにとって、印象に残っている個性的な外国人選手は誰ですか。

パンチ佐藤(ぱんち・さとう)
'64年神奈川県生まれ。'89年にオリックス・ブレーブスへ入団、強打の外野手として活躍。引退後はタレントとしてメディアに多数出演

福井謙二 古くは'75年の初優勝に貢献したゲイル・ホプキンスかな。ロッカールームで医学書を読んでいたそうで、アメリカに戻ってから本当に医者になった。

あと渋いところでは同じく広島のティム・アイルランド。豪快なヘッドスライディングをしたかと思えば、隠し球も何度か成功させた。見どころの多い選手だったと思います。

福井謙二(ふくい・けんじ)
'53年広島県生まれ。'76年フジテレビにアナウンサーとして入局、スポーツ実況やバラエティ番組の司会を務める。'13年に退社し、フリーに転身

佐藤 僕が初めて見たプロ野球の外国人選手は大洋のジョン・シピンです。セカンドの守備につくとき、耳あてのないヘルメットを被っていたのがとても印象的でした。でも、顔の前を虫かなにかが飛んでいて、手で払っているあいだに打球が一二塁間を抜けていったこともありました。

福井 僕は仕事柄ヤクルト絡みが多かったんですけど、ラリー・パリッシュはワニを食べるとかね。

佐藤 いましたね。今でこそワニを食べるのは珍しくないですが、当時は驚きでした。

福井 担当していた『プロ野球ニュース』は、なんでもネタにしていましたから、パリッシュの故郷に行ってワニを食べるなんてこともやりました。

佐藤 いい時代でしたね。

福井 今はみんな紳士ですけど、以前は荒々しい助っ人選手も多かった。

佐藤 阪急で抑えだったアニマル・レスリーなんかは最後の打者を打ち取ってキャッチャーとハイタッチするとき、頭をすごい勢いで叩いていた。だからキャッチャーの藤田浩雅さんはマスクを外さなかった。

 

通訳が超テキトーのバルボンさん

福井 巨人にいたバルビーノ・ガルベスが審判にボールを投げつける事件もありました。

佐藤 監督だった、あの長嶋茂雄さんが頭を坊主にしたんですからね。あれは許されない行為でしたけど、昔はいろいろと緩かったですよね。

福井 巨人のヘクター・アルモンテは『ドカベン』の岩鬼のように、葉っぱをくわえながらマウンドから投げていた。

佐藤 余計な力が入らないようになんでしょうが、変でした。

福井 メジャー176発の触れ込みできた近鉄のドン・マネーは本拠地の藤井寺球場のロッカールームが汚いということで4月中に帰ってしまった。

佐藤 ロッカーだけじゃなく球団が用意した住居にゴキブリが出るというのも原因だったみたいです。神様のお告げだといって帰国しちゃった選手もいました。

福井 阪神にいたマイク・グリーンウェル。

佐藤 自打球で骨折をしたら「野球をやめろという神のお告げがあった」と言って勝手に退団。完全になめてました。

福井 パンチさんが仲のよかった外国人選手で印象的な人はいますか。

佐藤 オリックスで一緒にやったフランシスコ・キャブレラ。キャブレラはツタンカーメンかというくらいネックレスをジャラジャラさせて来日してきた。よだれかけみたいでしたよ。

福井 パンチさんはブーマー・ウェルズとも一緒にやっていますよね。

佐藤 ブーマーは結構お腹が出ていたんですけど、一回、オフにゲッソリして日本に戻ってきた。みんな「絞ってきたな」って思いました。でも、腹回りを脂肪吸引しただけで、シーズンが始まると元に戻っていきました。

福井 阪急でプレーしたロベルト・バルボンはブーマーの通訳もやりましたね。「そやからね~」って関西弁で味があったな。

佐藤 でも、あれたぶんちゃんと訳していないんです。だってバルボンはキューバ出身で英語はしゃべれないから。ブーマーが三冠王になったときも「今年はな~、うまくいったからな~、来年もな~、努力してな~、やるしかないわな~、これな」って感じでしたから。上田利治監督も「ちゃんと伝わっているのか」と疑っていましたよ。

福井 雰囲気で訳していたんでしょうね。