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政治政策
官僚が作る国会答弁の原稿など、AIに任せてしまえばいいのでは?
無意味な「激務」はこう減らせ

「AI答弁」の意義

AI(人工知能)で官僚の「働き方改革」の促進を図る動きが出ている。

経済産業省は閣僚の国会答弁の下書きを、AIを用いて作成する実験を始める。過去5年分の国会会議録をAIが学習し、関連質疑などから課題や論点などを整理して提示する仕組みを想定しているという。

官僚の負担を削減できるメリットがある一方で、「政治をAIに任せるのはどうなのか」と否定的な向きもあるが、実際のところ「AI答弁」にはどのような意義があるのだろうか。

まずは、国会答弁の原稿がどのように作られているかを見ていこう。

国会の審議で政治家たちに向けられる質問内容は、事前に通告される。これを「質問通告」と呼ぶが、前日の午後6時ごろに行われることがしばしばである。午後6時というと退庁時間を過ぎているので、官僚たちは「残業」せざるを得ない。

答弁の作成自体は2~3時間くらいで終わるのだが、そこから関係部局や関係省庁との協議があり、これも2~3時間くらいかかる。だから答弁の「決定稿」を印刷しているころには夜中になってしまうこともよくある。

答弁が大臣にレクチャーされるのは、答弁当日の朝。だが総理答弁であれば、夜中に秘書官から電話で叩き起こされて、答弁内容を秘書官に説明することもよくある。連日の激務を誇らしげに語る官僚もいるが、本当にこの作業が重要なのかどうかは考え物だ。

というのも、官僚たちが作る国会答弁は、ほとんどのものが過去にあった答弁を焼き直したもので、作成自体も難しい作業ではないからだ。

 

もちろん答弁を作るだけが官僚の仕事ではないが、国会答弁の作成は過去の質問や答弁を多く流用するだけの定型的な「ルーティンワーク」である。実は国会が開かれる前に、あらゆるパターンの「事前想定問答」を準備しているのだ。

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