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中国メディアがさっそく見抜いたトランプ政権の「弱点と限界」

警戒と楽観のはざまで…

「連携して未来を前進させていこう」

可笑しな時代になったものだ。次の二つの演説を読み較べてほしい。まず一つ目は、下記だ。

〈 「いまは最良の時代であり、最悪の時代でもある」――かつて英国の作家ディケンズは、産業革命後の社会をこう描写した。現在のわれわれも、同様の矛盾した中で生活している。

物質と富は不断に蓄積され、科学技術は日進月歩で、人類の文明の発展は歴史上、最高レベルに達している。だがその一方で、地域の衝突は頻発し、テロや難民が噴出し、貧困・失業・格差は拡大し、世界が直面する不確実性が増している。いまや多くの人々が、世界はいったいどうなってしまったのかと困惑している。

この困惑を解決するには、問題の根源を探っていかねばならない。一つの見方は、世界が乱雑になってしまったのは経済のグローバル化のせいだというものだ。だが私は思うに、この考えは正しくないし、そう押しつけてしまえば問題解決の助けにもならない。

歴史的に見て、経済のグローバル化は、社会的生産力の発展と科学技術の進歩による必然的な要求であり、帰結である。グローバル化は何者かが、もしくはどの国かが、故意に作り出したものではない。

もちろん、経済のグローバル化が「両刃の刃」であることは認める。世界経済というケーキが小さくなっている時、それをどう分配するかで効率と公平の矛盾が出てくるものだ。

だが、「甘いウリは苦みを抱え、美しいナツメにはトゲが生える」というではないか。世の中に完璧なシステムなど存在しない。経済のグローバル化がもたらした新たな問題があるからといって、経済のグローバル化自体を殴死させるのは愚かなことだ。

人類の歴史は、われわれに告げている。問題が発生したからといって、恐れるでないと。恐れるべきは、問題に向き合わず、解決への道を探らないことであると。経済のグローバル化がもたらしたチャンスとチャレンジを前に、われわれの正しい選択は、チャンスを十分に利用し、チャレンジに一致して立ち向かい、世界をよりよいグローバル化の道へと導いてやることなのだ。

 

具体的には、われわれは経済分野の3つの突出した矛盾に対して、いまだ有効な解決策を見出していない。

第一に世界経済のエンジンが不足していて、持続的で安定的な成長を支えられなくなってきていることだ。2016年の世界経済の成長スピードは、この7年来で最低を記録した。

第二に世界経済に対するコントロールが効かなくなってきていて、新たな変化に対応しきれていないことだ。いまや新興国家の経済成長が、世界全体の経済成長の8割以上を占めている。

第三に世界の発展が均衡を失っていて、人々が期待する生活を満たしていないことだ。世界の上位1%の富裕層の資産が、残りの99%が持つ資産の総和を超えており、格差と発展の不均衡が頭痛の種となっている。

整理すると、世界経済の成長、コントロール、発展の仕方に問題があるわけで、いずれも解決不能なものではない。

第一にエンジンを刷新し、活力あふれる成長様式を作り上げていくべきだ。第4次工業革命は、これまでの工業革命と較べると、段階を踏みながらもランダムな速度で展開している。そこで昨年のG20(主要国・地域)サミットでは、刷新によって世界経済成長の新たなエンジンを見出していこうというコンセンサスを得た。

第二に互いに連携を堅持し、開放された市場のもとで共に勝者となる提携方式を見出していくことだ。人類はすでに、「あなたの中に私がいて、私の中にあなたがいる」という運命共同体になっている。互いの利益は高度に融合し、相互依存が進んでいる。

その意味で、全世界での自由貿易と自由な投資を堅持し、発展させていくことが重要だ。貿易と投資の自由化と利便化を推進していくのが筋であって、保護主義への反対を旗色鮮明にすべきなのだ。保護主義を掲げることは、暗室に籠って雨風に打たれるのを避けているようなもので、陽光や新鮮な空気からも隔絶されてしまう。他国に貿易戦争を仕掛けても、双方が傷つくだけだ。

第三に公正で合理的な(世界経済の)コントロール様式を進めていくことだ。「小知恵は一事を治め、大知恵は制度を治める」と言う。国家の大小も強弱も貧富も分け隔てることなく、すべての国が国際社会の平等な構成員ではないか。皆が平等に政策決定に参加し、権利を享受し、義務を履行していくべきなのだ。『パリ協定』は地球の発展のベクトルに符合するもので、軽率に放棄してはならない。これは子孫後代に対してわれわれが負担している責任なのだ!

世界史の発展はわれわれに教えている。困難に直面しても、怒りに溺れることなく、他者を叱責することなく、信心を放棄することなく、責任を逃避することなく、一致団結して困難に打ち勝てと。歴史というのは、勇敢な者が創造していくものだ。われわれは信心を掲げて行動に乗り出し、共に連携して未来を前進させていこうではないか! 〉

だいぶ要約して訳出したのだが、それでも長くなってしまったことをご寛恕願いたい。

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