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医療・健康・食 ライフ 週刊現代
歯はみがくな、髪は洗うな…「逆さま健康法」で元気に100歳だ!
巷に流布する健康情報にダマされるな

水素に酵素、開脚に断食……信用に足るかどうか怪しい健康情報の洪水に飲まれそうな現代社会。一時の流行に惑わされないで自分の身体に耳を傾けるのが、健康長寿への一番の近道かもしれない。

 

歯はみがかない

高性能の電動歯ブラシで歯垢を根こそぎ落とし、殺菌効果のあるマウスウォッシュで口臭予防、週一回は専用の歯みがき粉でホワイトニングを欠かさずに――。

市販の口内ケア用品は枚挙にいとまがないが、メーカーの広告が訴える健康効果を鵜呑みにしてはいけない。

「日本では、'60年代後半に『毎食後3分以内に、一日3回3分ずつ歯をみがこう』という『3・3・3運動』が厚生省推奨のもとに行われていましたが、これはもともと歯みがき粉メーカーの販促キャンペーンが発端なのです。

実は他国では就寝前と起床後に口内ケアをするのが当たり前になっていて、日本人の歯のみがき方は完全に時代遅れになっています」

こう語るのは著書の『歯はみがいてはいけない』がベストセラーになっている京都・竹屋町森歯科クリニックの森昭院長である。森氏は続けて「日本では当たり前だと思われている歯みがき習慣には、実際には大きなリスクが潜んでいる」と警鐘を鳴らす。

「みなさんが行っている『歯みがき』は、大半が歯ブラシに歯みがき粉をつけ、ブクブクと泡立ててみがいているものだと思います。実はこれには2つの大問題があります。

まず、歯ブラシでゴシゴシと歯をみがいていること。歯をみがけばみがくほど、歯の表面が削れていき、知覚過敏や虫歯が悪化する原因にもなります。とりわけ食後は、リンやカルシウムが唾液に溶け出して歯が『柔らかく』なっているので注意が必要です。

もう1つは歯みがき粉をつけていること。界面活性剤や清涼剤の作用でスッキリと『みがけた感』が演出されるために、歯にこびりついたままのプラーク(歯垢)に気づかなくなってしまうのです」

口の中に住む細菌は100億を超え、口内はさしずめ「細菌の海」である。また、この細菌の「温床」となるのが歯ブラシでもなかなか落としきれないプラークだ。

口内ケアで最も重要なのは、「唾液をたくさん出す」ことであると森氏は言う。実は唾液には強い殺菌作用があり、プラークの悪影響を制御する力を持っているからだ。

食後すぐに歯みがきをしてしまうと、大量に分泌されている貴重な唾液を洗い流してしまうことになるので、「歯はみがかない」ほうがいい。就寝前と起床後のケアが大切なのは、睡眠時には唾液が減るため、悪い影響を及ぼす細菌が繁殖することを防ぐ必要があるからだ。

では、従来の歯みがきに代わり、どのようなケアを心がければいいのか。前出・森氏は次のように指南する。

「何よりも重要なのは、殺菌力のある唾液を歯の隅々まで行きわたらせることです。デンタルフロスや歯間ブラシを用いることで、プラークを除去しつつ唾液の通り道を作りましょう。また頬や舌を動かして、唾液の分泌を促すことも大切です」

最近では口内の細菌のバランス、いわゆる口内フローラが崩れると、虫歯や歯周病だけでなく糖尿病や動脈硬化など命に関わるような病気にかかりやすくなることもわかってきた。ゴシゴシ歯をみがくことをやめれば、健康寿命の飛躍的な向上につながるのだ。