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「生活保護なめんな」ジャンパーが冒涜したもの
何が問題か。そもそも不正受給は多いのか

「生活保護なめんな」ジャンパーの衝撃

1月17日に小田原市の生活保護の担当職員が「生活保護なめんな」と書かれたジャンパーを着て、生活保護を利用している人の家を訪問などしていたことが明らかになった。

ジャンパーの背面には「我々は正義だ」「不当な利益を得るために我々をだまそうとするならば、あえて言おう。クズである」などの文章が英語で書かれているそうだ。

報道によれば、いまから10年前の2007年に、小田原市で生活保護費の支給を打ち切られた男が市職員3人を杖やカッターナイフで負傷させる事件があり、当時の生活保護担当職員らが事件後、不正受給を許さないというメッセージを盛り込み、このジャンパーを作った。その後、担当になった職員らが自費で購入。これまで64人が購入し、現在は在職中の28人が所有しているという。

新聞、ネット記事だけではなく、NHKなどのニュースでも取り上げられたこの小田原市の「生活保護なめんなジャンパー」だが、筆者もこの問題について、市職員がこういったジャンパーを着て生活保護家庭に訪問していたことなどを批判するツイートしたところ、

「不正受給を許さないのは当たり前」
「ジャンパー以上に許せないのは不正受給者」
「本当に困っている人を守ろうとしてやったこと」

などの反応があった。

ちなみに、ここでの論点は「不正受給がいいか・よくないか」ではない。当然ながら、不正受給は違法行為であり、内容によっては詐欺罪などに問われることもある。なので、不正受給はよくないし、なくさなければならないものだ。これは大前提の話である。

ここで重要なのは、①小田原市の職員が10年前に職場の連帯感を高めるために(報道によれば)、職員が自主的に製作し、着用していたということ。そして、②そのメッセージがはいったジャンパーを着て、実際に地域で生活している生活保護利用者の自宅を訪問していた、ということである。

このことの一体何が問題なのか。