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選挙
「2月解散総選挙」こう考える〜政治部記者60人大アンケート
本業では明かせないホンネ

前回'14年の総選挙の直前にも、安倍総理は「考えていない」と断言していた。本当に秋が来るまでやらないのか。それとも2月のサプライズか――プロの情報を集約すると見えてくるもの。

本業では報じられない情報を新聞・テレビの担当記者が匿名で明かす。

新聞記事を信じるな

「解散のカの字もない」

'17年が明けて早々、公の場に出るたびに、この言葉を連発している安倍総理。しかし、少なからぬ政治報道のプロたちは、まだ「早期解散」の炎は消えていない、と見ている。

「新聞各紙は『秋以降』と報じているものの、秋まで絶対に解散できないという理由もない。トランプ相場の余勢を駆って、総理は株価が高いうちに解散に踏み切りたいはず。トランプ政権発足後、1月下旬の訪米などで米国の出方を見定めたうえで、最終判断を下すだろう。

4~5月になるとフランス大統領選など、またぞろ不確実性の高いイベントが出てくる。マスコミには秋と報じさせておいて、春先に仕掛けるのではないか。昨年末の真珠湾訪問はそのためでもあったと思う。『平和のための憲法改正』を掲げて戦うかもしれない」(時事・30代・男)

「公明党からは、『解散するなら(今夏の)東京都議選の後にしてくれ』との強い要請があると報じられているが、これは『今年前半には解散総選挙はない』というミスリードではないか」(朝日・40代・男)

「蓮舫民進党の限界につけ入るチャンスは今年前半になる。官邸は区割り改定を急がせているので、すでに解散臨戦態勢に入ったとみるべき」(共同・30代・男)

菅義偉官房長官、二階俊博自民党幹事長など、政権の大物たちも安倍総理に同調するように早期解散を否定している。

しかし、「官邸をしっかり取材している記者ならば、『2月解散』は必ず行き当たる有力な結論のひとつ。総理周辺にはこのプランを推す側近が多い」(共同・40代・男)と答えた記者もいた。

政界では「解散の時期について、総理はいくらウソをついてもいい」と言われている。まして次の解散総選挙は、安倍総理にとって「憲法改正」、そして「史上最強・最長政権の樹立」を懸けた一世一代の戦いになるのは間違いない。

総理以下、政権中枢の表立った発言を追っているだけでは、到底その機微を読み切ることはできない。

今回本誌は、大手紙、NHK、民放キー局、通信社の政治部記者にアンケートを実施、60名から回答を得た。日々多くの政治家や関係者に取材する彼らには、たとえ知っていても「本業」では書けないことがある。紙面に載る記事が、記者たちが握る「本当の情報」とは限らないのだ。

 

まず彼らに問うたのが、ずばり「衆院解散の時期はいつになると考えるか」である。

特筆すべきは、冒頭でも紹介したように、まだ「今春解散」の可能性が十分あると考える記者たちが、独自の見解を披露したことだ。続きを見てみよう。

「過去の例を見れば、'09年8月の総選挙のように、都議選後の衆院選で自民党が大敗し、政権交替が起きたこともある。当時、ある自民党のベテラン議員は『都議選の支援で公明党が疲弊してしまい、選挙協力が十分に機能しなかった』と指摘している。

しかも今夏の都議選は、小池百合子都知事の都政改革をめぐって、都議会自民党と都議会公明党が対立する中で行われることになる。こうした自公の軋轢を考えれば、都議選後に解散を先送りすると、安倍総理は難しい判断を迫られることになる」(毎日・40代・男)

この記者が指摘する通り、安倍総理にとって間近に迫った最大のハードルが、7月に任期満了を迎える東京都議会議員選挙だ。

すでに小池氏は、都議会の「小池新党」の核となるメンバーの選定を終えており、さらに自身が主宰する「希望の塾」塾生を対象として候補者選抜試験を実施。都議選には、新党から数十人を出馬させるとも噂されている。

都議選で小池旋風が吹き荒れるなら、都議会では「小池新党+民進党+公明党」vs.自民党の構図ができ上がる。橋下徹氏率いる大阪維新の会が公明党と握って与党となった、大阪府議会のような「自公対立」の状況が東京でも生まれるのだ。

つまり、解散を先延ばしにすればするほど、都議会の自公の関係はますます冷えてゆく。これが国政選挙に影響しないはずがない。

「3月に通常国会で新年度予算を成立させた後、安倍総理は『公明党との選挙協力の効果を最大限に発揮できる都議選前、つまり春の間に解散したい』という誘惑にかられるのではないか」(前出・毎日・40代・男)