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政治政策 選挙

【決戦・千代田区長選】小池知事支援の候補に覚える、ある「違和感」

非守旧派のイメージはホンモノか?

支持率80%といえども

都議会自民党と小池百合子都知事の対決の場となった2月5日投票の千代田区長選は、区長選とは思えないほどの盛り上がりを見せ、マスメディアも大きく報じている。

小池氏が支援するのは、現職で5期目の石川雅已区長(75)で、都議会自民党が総力をあげるのは、与謝野馨元財務省の甥の信氏(41)だ。千代田区は「都議会のドン」の内田茂都議の選挙区で牙城。「小池vs.ドン」の代理戦争といわれるゆえんだ。

一般に、区長と区民の関係が深いとはいえず、まして都民にとって千代田区長の石川氏は馴染みがない。小池氏は、「待機児童対策に取り組んだ見識のある方」と持ち上げ、2人が並んだポスターを見て、大半の都民は、「ドンのような守旧派ではない」と、共感を寄せるだろう。なにしろ小池人気はおさまらず、支持率は80%超えが続いている。

しかし、4期16年務めたベテラン区長は、それほど単純ではない。私は前回、2013年2月に行なわれた区長選でも、石川区長と副区長の大山恭司氏との一騎打ちが、ドンvs.石川区長の争いであったことを本コラムで伝えた(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34800)。

もともと東京都の官僚だった石川氏を千代田区長に担ぎ出したのは内田氏であり、大手町再開発など千代田区内のビッグプロジェクトで手を組んできたが、全てを差配しようとする内田氏に反発するようになった石川氏が離反。対立構図を深めたという経緯がある。従って、石川氏もまた特定業者との癒着や利権構図を指摘されることが少なくない。

 

端的な例が、千代田区麹町で建設工事に着手された「麹町5丁目計画」だ。紀尾井町TBRビル跡地と公務員宿舎の麹町住宅跡地を合わせた約1万平方メートルに、地下1階地上22階建て述べ約5万平方メートルの超高層ビルを建設する。

問題は約140メートルの高さである。

話は、高さ制限を協議した2008年初頭に遡る。麹町地区の開発を節度あるものするために、麹町環境整備協会地区計画委員会が検討を重ね、景観等を考えて60メートルに制限し、総合設計制度を使っても、70メートルとする方針を打ち出した。

ところが、08年3月26日、麹町環境整備協会が発表した地区計画では、麹町5丁目の一定エリアの高さ制限が外されていたのである。住民を中心に議論を重ね60~70メートルとされてきた高さ制限が、なぜ麹町5丁目に限って外されたのか。

その謎が、昨年10月14日、千代田区議会の予算・決算特別委員会で明かされた。

共産党の木村正明区議は、高さ制限が外れた理由を尋ね、「都市計画としてシェイプアップしたというか、より具体化してきたという形で」と、わけのわからない答弁を繰り返す千代田区担当者に焦れて、次のように回答を迫った。

「そうしますと、この地区計画の高さ制限を外すという考え方は、区のほうから地元に持ちかけて、変更してもらったということでいいんでしょうか」

まちづくり担当部長は、「そうです」と認めた。それを受けて、木村区議は「政界フィクサー」として知られる山田慶一氏の名を出して、「区長は、環境計画研究会の山田慶一氏をご存じでしょうか」と質し、「東京都の時からの関係で、知っております」という答弁を引き出している。

これが、再開発事業に関与する石川区長の疑惑につながる。この日の議会でもそのあたりが追及され、木村区議が「区長は(高さ制限などに関して)山田慶一氏から何らかの相談を受けたということはありますか」と問い、石川区長は、「この件ではございません」と、答えている。

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